「話を読む」「けさも書く」から「最終回」へと続くともう泣けてきます。
『僕と妻の1778話』に収録されている52話を読むと、眉村先生の状況が目に浮かぶようなものが多いです。実は私は眉村先生が卒業されたのと同じ中学校の出身で、先生とは何度かお会いさせて頂いたことがあります。だから、昔、住んでらした団地を舞台にした「一号館七階」とか、ご自宅の近所に借りていらっしゃる倉庫が出てくる「書庫の本」。あのご自宅ならオバケが出ても不思議ではないな(ごめんなさい)と思わせる「椅子を占領するオバケ」なんてのは、ニヤニヤさせられました。きっと物語の舞台は大阪の先生のご自宅とかご近所だったり、天王寺だったり、梅田だったり、新地だったりするんだろうなと思ったりします。元々が奥様おひとりに向けて書かれたものだから、眉村先生の近況報告を物語としてショートショートにされたのかもしれません。しかしそれがただの近況報告ではなくて、小説になっているのは、小説家としてのプライドであるのでしょうが、ちょっぴりテレもあったような気もします。
私が好きなのは「心を明るく」「都会の声」。せつないお話です。
ショートショートひとつひとつが物語のプロットのようなものだから、一冊で五二冊分もお徳です。