「僕から君へ」
表題作です。
友人・夏己が亡くなり、ひろむは彼の部屋を訪ね、彼との事を、帰りの山手線の中で回想する物語。
小学生の時に知り合ったひろむと夏己は、時に離れたり衝突しつつ、絆で結ばれて成長していきます。
真面目な優等生タイプのひろむと、家庭にめぐまれずに育ったヤンキータイプの夏己。この絆は、対照的な2人だからこそだろうと思います。
夏己が死の直前に残した一遍の詩。簡単な言葉ながら真っすぐな詩は、悲しい物語ながら、優しい気持ちになれるはず。
「東京少年物語」
両親の離婚で、東北の山間の町に母と越してきた、吉蔵の物語。
小さな町の、のどかでゆったりした流れが漂います。
周りの人との関わりを経て、成長する吉蔵がかわいいです。
「がんばってや」
青森から東京へ出てきた寛治は、関西弁を話す舞子と知り合い、恋をします。共通語を上手く使えず孤立していく彼ですが、舞子がとった行動に救われます。
都会に慣れず、本来の明るい自分を出せない寛治には、親近感が持てる方も多いのでは。
また、舞子には大阪の人の明るさと、女性全体の凛とした感じを受けます。