私は海外で起業している。日本出張の帰途の飛行機の中で一気に読了した。
読後感その1:もっと若い頃に読みたかった。
筆者も「はじめに」の中で「『天職を見つけるにはどうしたらよいか』『幸福な人生ってなんだろうか』というようなことを、ひとりで考えていてもうまくいかない。ひとりで考えるのではなく、“人生の先輩たち”と心の中で対話しながら考えてみるといい。」と書いている。
その通りだ。今、私は天職を得て、幸福な人生を送りつつあるが、そう実感できるまでには時間がかかった。外地では有為な助言を与えてくれる方との出会いは物理的に少ない。よって知識、知恵は本から得ることが多かった。学生時代、あるいは海外に出たばかりの頃にこの本に出会っていれば、“人生の先輩たち”たちから貴重な知恵を授かり、もっと早くに天職に出会ったのではないかと夢想する。
読後感その2:この本は、実用的な仕事論ではあるけれども、筆者による良質な幸福論でもある。
筆者は「働くことは、人間が人間であるために、欠くべからざるものであるような気がする。」(P.189)という。もし、働くことの意味が「生活の糧を得るため」だけだったら「ビル・ゲイツやタイガー・ウッズはもう仕事をしないだろう」と。(P.189)
では、「生活の糧を得るため」以外の働く理由とは何だろう?
それを筆者は、関係性の豊かさを築くことであり、それ自体が人間の幸福ではないかと主張する。「つまりそれは、他者との関係そのものを味わうことが、ある種の豊かさの享受を意味するといった価値観だ。これを《関係性の豊かさ》と表現してもいいだろう。」(P.206)仕事を面白く思えていない人、そしてこれから仕事を選択する若い人に読んでもらいたい。この本には天職、そして人生の豊かさ=幸福を得るヒントがたくさんつまっている。