大企業等に勤めていて、「手続きはすべて会社がしてくれる」という女性の場合、本人が申請の方法を詳細まで調べ、お役所に足を運ぶ必要はありません。ただそのような状況であっても、「どのような制度があるのか」「いくらくらい補助が受けられるのか」という大まかな情報を事前に知っていることによって、ライフプランが明確になったり、無駄な不安を抱えずに済んだりと、さまざまな利点があることでしょう。
育児と仕事の両立について何かしらの「疑問」、「不安」、「悩み」を抱えている方には、是非本書を一読し、様々な選択や決断の参考にして頂きたいと思います。
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本書の内容について
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「出産後もずっと働き続けたい。」
「妊娠して会社を休みたいんだけど、どうしたらいいの?」
「結婚はしたものの、子供を産む勇気がもてない・・・」
「社会保険労務士(社労士)」という労務管理の仕事に就いてからというもの、友人や知人から、上記のような相談を頻繁に受けるようになりました。筆者自身も「働く女性」という意味では同じ立場であり、とても他人事とは思えません。専門である労働保険・社会保険の知識が、これらの悩みを解決する糸口になるのでは・・・と期待し、この本を書きました。
一般にはあまり知られていないのですが、実は日本には、働く女性を支える様々な制度が存在します。
(制度の例)
■健康保険
・「出産育児一時金」・・・赤ちゃん一人に対し出産費用35万円を補助
・「出産手当金」・・・産前産後(約14週)の休業補償として、お給料の約3分の2を支給
・育児休暇中、毎月の保険料が無料になる制度
■雇用保険
・「育児休業基本給付金」・・・赤ちゃんが原則1歳になるまで、お給料の30%を補償
・「育児休業者職場復帰給付金」・・・復帰して半年後も働き続けていたら、更に20%を補助
など
また「働くママに協力的な事業主さん」に対しても、国は様々な優遇措置を用意してくれています。例えば現在、平成22年までの期間限定の制度として、育児休暇を初めて与えた事業主に対し、一人目は100万円、二人目は60万円を支給するという助成金の給付も実施されています。
どれも正しく利用すればとてもオトクな制度なのですが、これらは一見とても複雑で、難しそうで、正しく理解できている人は少ないのが実情です。
お役所に相談するにしても、それぞれの制度で管掌が異なるので、「一体どの窓口へ行けばいいの?」「制度の申請漏れはない?・・・」と、不安はなかなか尽きません。たとえばハローワーク発行の育児休業のパンフレットには、どこを探しても、健康保険から支給される「出産手当金」の文字は載っていません。出産手当金については社会保険事務所に行かないと教えてもらえません。
本書では、「妊娠~休職~出産~復職」の一連の流れについて、育児と仕事の両立を目指す女性・「かな子」の物語に沿ってまとめて解説をしています。難しい用語や、制度を複雑にする例外のケース等は可能な限り割愛して、全容を理解しやすいように工夫しました。
「どのように上司に報告するの?」
「いつからいつまで仕事をやすんだらいいの?」
「最終的には何円くらいの給付を受けられる?」
「夫の理解はどのくらい?」
かな子はこの物語の中で、様々な経験をしていきます。これを参考にして、読者の方々にもイメージが伝わればいいなと思います。
悩める女性たちだけではなく、事業主さんや人事担当の方々にも、ぜひ手にとって読んでいただきたいです。先にも述べたように、会社にとってオトクな情報も多く紹介しています。それだけはなく、従業員の立場を理解するよいきっかけともなるでしょう。
現段階では子どもを産むべきかどうかで迷っている女性にとっても、この本が何かしらの道しるべとなれば幸いです。
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