結局何なんだ?と思うこともあるけれど、時々読み返したくなる不思議な本。この人の本はみんなそうである、私にとっては。読み返すと言ってもはじめから全て読み返していたらついていけない。と、言うことでホッとするところにアンダーラインを引いて、自分がガクンと落ち込んだ時その箇所だけ読み返している。
よく読み返すところは、著者が予備校講師を辞めて単身ウィーンに飛ぶ場面。予備校でたった2年だけしか働いてないのだが、著者は「予備校で2年余り働いたことが私を鍛えてくれた」という。正直言ってビックリ。たった2年の、しかも様々な拘束が圧倒的に少ない予備校教師の2年間の労働がそんなに自信になるのだろうか?と。著者はさらにこうも言う。「ここ(予備校)は自分の居場所ではないと言う思いはどんなにごまかしてもわき上がってきた」と。「体は頭以上のことを知っている」とも。とてもわかる気がする。
著者は読者を説得させようだとかそんなことは思ってないかもしれないが、思わず唸ってしまう。正解なんてありゃしない、だって人生は不条理なんだもん。そう言っておきながら、不条理と言う安住の地にいることもまた否定する。グダグダたらい回しにしているようだが、本当にそうなのだから仕方ないかもね。