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働き盛りがなぜ死を選ぶのか  <デフレ自殺>への処方箋 (角川oneテーマ21)
 
 

働き盛りがなぜ死を選ぶのか <デフレ自殺>への処方箋 (角川oneテーマ21) [新書]

岡田 尊司
5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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働き盛りがなぜ死を選ぶのか  <デフレ自殺>への処方箋 (角川oneテーマ21) + マキャベリー的知性 危機の時代を生き抜く社会的知性の磨き方 (アスキー新書 145)
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商品の説明

内容紹介

13年連続自殺者3万人強の日本!いったい人々を死に追いやるものは何なのか?経済失政からくる長期デフレ。雇用と精神疾患の問題を大胆に提起した衝撃の書!

内容(「BOOK」データベースより)

新しい経済成長で高度高齢化社会を乗り切れ。精神科医が見た中高年を襲う病理。

登録情報

  • 新書: 249ページ
  • 出版社: 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011/4/9)
  • ISBN-10: 4047102814
  • ISBN-13: 978-4047102811
  • 発売日: 2011/4/9
  • 商品の寸法: 17.4 x 11 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
著者は「精神科医」
自殺を調べていくうちに経済問題を調べていかざるを得なくなった、という趣旨のことが
「はじめに」に書かれているが、その考察は極めて専門的で正当で丹念に数値を拾って
論証を重ねている(めんどくさかったろうな…(^−^;))。
ポイントは「賃金の低下」と「資産価格の低下」とその原因である「マネーサプライ」。

経済学者は日銀に異を唱えることは構造的に難しい。
政府筋からの締め付けもあるだろうが、貨幣価値の下落は信用創造にマイナスである、という
きわめてまっとうな論拠が経済学者の頭脳を縛っているのだ。

この本はその呪縛を論証によって取り払う。
もともと、紙幣は金本位制でなければならない、という呪縛が意味がないものであったのであれば
インフレは悪いものだ、という呪縛も意味がない。
そしてそれは経済学者には発言できない経済学である。

読み始めたらやめられなくて一気に読んでしまいましたよ。
自殺問題とは違う意味で根本的な学問意識を揺さぶられる1冊。
正当的経済学者の反論を期待したいです。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By mfhty トップ500レビュアー VINE™ メンバー
 「働き盛りがなぜ死を選ぶのか デフレ自殺への処方箋」というタイトル、精神科医という著者の経歴をみると、ほとんどの人が「自殺者の精神の分析」「自殺を防ぐための心のあり方」のような内容を想像するのではないでしょうか。
 しかし、本書を読んでみるとほとんどの部分が、デフレ状態にある日本経済を分析している部分です。

 精神科医がこのような経済の本を書いた理由は、まえがき部分におおむね次のように書かれています。
・ そもそもこの問題に取り組み始めた発端は精神科医として、なぜ毎年3万人を超える人が自殺しなければならないのか、その背景をさぐろうとした。
・ その結果、雇用・経済の問題に突き当たらざるを得なかった。

 そして、経済に関する本として割り切って読んでみると、「本当に精神科医が書いた?」と思うほど、的確な経済センスを感じます。
 著者の主張を思い切って要約すると、次の諸点になると思います。
(a) 日本経済は、もっと高い潜在成長力があったのに、バブル崩壊後、政策の失敗によって低迷を続けてきた。
(b) 特に、財政政策により需要喚起を続けてきたにもかかわらず、金融政策がデフレ志向(インフレ抑制志向)であったため、長期間デフレが続いてきた。金融政策こそが日本経済低迷の主要因であり、一定のインフレを許容するインフレ・ターゲット政策に転換すべき。
(c) 長引くデフレは、日本人の自信を失わせているだけでなく、まっとうに働く人々を経済的に追い詰めている。マイナス志向が蔓延し、ますます経済を低迷させている。

 ていねいに書かれた経済分析であり、私も著者の主張に賛同する部分が多く、なかなか有益な本と思いました。
 ただ、本書を読むには最低限の経済知識はあった方がよく、「日経新聞がちんぷんかんぷん」という感じの人にとっては、ちょっとしんどい本と思います。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 問題の多い本だと思う。その中から経済の現状認識や議論の方法、処方箋、問題の立て方などについて順に論じてみたい。

 著者によれば、日本人が悲観的になっているのは単に「認知の歪み」によって「うつ病」のような状態になり、それが経済をさらに悪化させているのだと言う。その根拠として対外純資産の高さや、円高(=国の信用が高いから)等々のデータを上げている。
 しかし、多くの日本人が「このままではまずい」と考える理由は、「国や地方の借金残高がGDPの2倍」「税収が国家予算の半分しかない」だろう。しかし(意図的にだろうが)この本にはこの最も重要な事実が書かれていない。アンフェアな議論だ。今の日本は、オバマ米大統領の就任演説の言葉を借りるなら「the challenges we face are real」だ。断じて思い込みなどではない。

 2点目として聞き捨てならないのは、医師である著者が福祉切り下げ、労働強化ともとれる発言をしていることだ。自殺を減らすことを論じる本で、である!
 著者は、生存権を詠った現憲法の「最低限度の生活を営む権利を有する」を、「労働生活権」なるものに書き換え、「全て国民は、自分にふさわしい仕事をし、生きがいと希望のある生活を営む権利を有する」とすべきだと主張する。確かに、現行の生活保護法やその運用には課題もあるかもしれないが、憲法をそのように書き換えたあと、経済保守を標榜する政治勢力が政権に就いたらどんな事態になるか、想像を巡らした形跡はない。著者は医学を学んだのだろう。医学は、「生きること」を援助するためにあるのであって、「働くこと」を援助するためではないはずである。大変残念な発言だ。さらにこの本には、長時間労働の問題も過労自殺も出てこない。働き盛りの自殺を扱っている本なのに。

 最後に問題の立て方について。景気は必ず上がり下がりがあるのだから、「自殺を減らすために景気を良くしよう」というのは、「大雨で崖崩れが起きた、だから雨が降らないようにしよう」というのと同じ位、馬鹿げた議論である。大事なのは、経済が悪くなっても、命だけは守るために、どのような社会を作っていくべきか、ということを議論することである。
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