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「現代の日本では、……就職を志望する本当の理由が何であれ、これを生徒自身が認めた瞬間、そこにいるのは敗者としての自分と家族である」「『やりたいこと』『自分の希望』は、……その姿を直視することを避けるために使う言葉なのである。……そのこだわりは、…ささやかな抵抗あり、切ない合理化であり、最後の矜持なのである」という文は、それ以外の選択肢がなかったにもかかわらず、選択したかのような錯覚に陥っている若者を理解する指針となる。
「就職希望の生徒の家庭調査をしたら、恐ろしいことがわかる。誰もできないけれど」と語った教師がいる。日本社会の階層格差が恐ろしい勢いで広がっているのを、多くの人は知っているのだろうか。
仕事として高校生に会った時、本質において何も昔の高校生と変らないことを知った。そうであれば、高校生や若年者の失業は、フリーター化はなぜなのか。この本は、極めて明快に解説している。それも、隣りの家の話をするように具体的に。
世間が有する、若者=フリーターというステレオタイプの図式を崩すきっかけになるだろう。同時に、進路選択の先送りについて、教える側も学生の側も真剣に考える大切さを示唆してくれる。これは18歳の高校生だけの問題ではないし、自ら動機付けができるようになっていない人にとっては高校卒業時点の問題ではないはずだ。
「思うような就職がないから、とりあえず入って転職を考える/大学院へ行く/留学する」。単に若者の我慢のなさ、傲慢さというもっともらしい理由を否定すべく、実証的な研究を通して実態を解明しようとする意欲が感じられる一冊。
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