戦災孤児となったビーナが、能天気さと元気さを発揮して、傭兵稼業に挑むと言うお話。
非力な筈のビーナを守るのは、彼岸の神ならぬ、精霊が籠ったお面(表紙参照)です。
本としては、その口を開けば漫才になる様なメチャクチャな会話と、籠城戦の攻防を楽しめるお話かと思います。
登場人物として出てくるのは、男であれば、下衆な仇役、ゲスな上司、性格のすこぶる悪い少年に、柳に風のデキる先輩、
女であれば、尊敬出来る上司、機転の回る女友達、仕事で全てを捨てる敵方の女性。
女であるビーナにとってもそうですが、社会において、各人がどうやって立ち位置をぶんどって行くか、そんな構図がチラチラします。
彼らが戦争の只中、どういった価値観で動こうとするのかを読むのは、話の流れとはまた別に考えさせられますね。
メインディッシュとなるのは、圧倒的な兵力差の籠城戦、スパイ戦。読んでいて面白いです。
物量戦に封じられかねない状況の中、短期決戦に持ち込み、手元にある材料で、如何に守り、如何に奇襲し、如何に突破するか。作戦の不備をどうフォローするか。
部隊の一方は、気が狂っているともいえる強力な大将が指揮を執り、
もう一方は、下品だが統率力があり、頭の回る大将が指揮を執る。
この二つの部隊の攻防、普通に読んでも迫力があっておもしろいですが、戦いに携わった人達それぞれの動きを考えながら読むと、かなり面白く感じます。