「日本原論」シリーズ第五作。主に2004年の出来事を切っている。太田のボケに田中がツッ込むと言うパターンは漫才と同じだが、太田のボケが巧みな問題提起になっているのには感心させられた。
扱っているテーマはイラク自衛隊派遣、牛丼の販売休止、年金未納、ライブドア、耐震強度偽装などだが、「世の中全ては偽装である」と言うのが本作のコンセプト。これをどこかの評論家がしかめっ面して言うのではなく、上述の通り太田のボケによって巧妙に問題が提起され、それを田中が窘める事によって、問題の本質が浮き彫りになる構成が絶妙。漫才コンビならではの呼吸と言える。読んでいると田中が物知り博士のように見えるので笑える。
2004年に起こった様々な出来事に対するコメントを載せた評論家の本も読んだが、本書の方が切り口が鋭い。しかも、あくまで笑いを忘れない全体構成も見事。楽しく読める上、社会問題を鋭く抉った快著。