昭和34年に伊勢湾台風で家屋が損壊し、偶然発見された『武功夜話』等であるが、原本を全く公開せず、古文書の研究に関して全くの素人である所有者(御当主)の弟(吉田蒼生雄氏)が現代語訳した物で信憑性に欠ける。
その『武功夜話』等を何の検証もせず、全幅の信頼を寄せて出版した、新人物往来社の責任も重大であるし、それらを無条件に信用して小説を発表した、遠藤周作氏・津本陽氏・秋山駿氏・堺屋太一氏と大河ドラマにしたNHK、それらに疑問を抱かず賞賛した瀧喜義氏・松浦武氏・小和田哲男氏・河合正治氏などの大学教授も、全くもって無責任である。
また小島廣次氏・勝村公氏・名古屋大学教授三鬼清一郎氏などがが疑問を呈して、三鬼氏とTV東京の「なんでも鑑定団」で有名な愛知文教大学教授の増田孝氏が、原本を調査した際も貸出はされず、自宅内での調査しか出来なかったとの事で、御当主自体が協力的ではなかった。
その後、小和田哲男氏などが参加した、2005年の家系研究協議会で原本のコピーを公開されているが、それ以外への貸出や公開は一切されていない。
こう云った文書などは、江戸時代「寛永諸家系図伝」・「寛政重修譜」「藩翰譜」とか大名・旗本・御家人が自分の家の系図を幕府に提出しなければならなかったり、浪人が仕官をする為に系図が必要だったりして、「系図師」と呼ばれる仕事師が沢山居たらしく、司馬遼太郎氏も短編や随筆に書かれているが、自分の家の箔を付けたい人が利用したらしい。
文書(先祖書)と系図のセットと云うのがかなり怪しい。
最近でも勝村公氏が「武功夜話」異聞と云う本を出版されているが、当主の吉田龍雲氏からも何の反論も無い。また小和田哲男氏が「日本歴史」2008年8月号で(偽書疑惑)について反論しているが、肝心の原本が公開されて、それぞれ違う分野の複数の研究者が検証しなければ何の意味もない。
新人物往来社も、現在『先代旧事本紀』の偽書疑惑の検証を2号に亘って行っているが、自社が出版の先鞭を切った、肝心要の『武功夜話』の検証をする責任の方が、大事ではないのでしょうか。