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偽りの来歴 ─ 20世紀最大の絵画詐欺事件
 
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偽りの来歴 ─ 20世紀最大の絵画詐欺事件 [単行本]

レニー ソールズベリー , アリー スジョ , 中山 ゆかり
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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偽りの来歴 ─ 20世紀最大の絵画詐欺事件 + FBI美術捜査官―奪われた名画を追え
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商品の説明

内容紹介

たとえ贋作でも、「来歴」さえあれば売買は成立する──そんなレトリックを駆使した詐欺師は、驚くべき方法で美術史を捏造した。美術界を震撼させた事件を追うドキュメンタリー。

内容(「BOOK」データベースより)

来歴さえあれば、たとえ贋作でも「ほんもの」になる。詐欺師は驚くべき方法で美術史を捏造した。美術界を震憾させた事件を追うドキュメンタリー。

登録情報

  • 単行本: 349ページ
  • 出版社: 白水社 (2011/8/20)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4560081611
  • ISBN-13: 978-4560081617
  • 発売日: 2011/8/20
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.2 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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今や、財政破綻でEUのお荷物化しているギリシアだが、歴史を遡ると文化・芸術の中心地であった。古代ギリシアの神々をモチーフにした彫像は現代の私たちを魅了する。しかしだ、<オリジナル>とされるギリシアの彫像の90%は古代ローマの職人たちが作製したものだとか。古代ローマではギリシアの古代彫刻がステータスシンボルとなっていたが、本物の作品の供給が途絶え、その穴をローマの職人が埋めていたという。時代が下り、かの有名なミケランジェロも贋作に関わったらしいし、ピカソも懇意な画商の求めに応じて自身の作品ではない絵にサインをしたことがあったらしい。こんなエピソードが随所に紹介されていて、今までほとんど知らなかった絵画流通の裏事情がよく分かる本だ。
作者の地道な調査で、稀代の詐欺師ジョン・ドゥリューの育った家庭環境やその巧みな話術と類まれな記憶力、英国紳士然としたアピアランスが説得力をもって迫ってくる。それに、まんまと騙されてしまう良識ある人々。この本を読んで、有名絵画はそれ自体の素晴らしさに加え、所有者の変遷を記録した「来歴」が重要な要素であることが分かる。完全なドキュメンタリー小説であるが、作家の構成と表現力がすばらしく、映画を見ているように、各場面がイメージできて、途中で本を閉じることができなくなった。
ジョン・ドゥリューを尋問した人たちの多くは、彼の性格は病的虚言癖の特徴に合致し、自分が想像して作り上げた自分像に「折りたたまれ」、感情的に「包み込まれている」と説明している。こうした人を称して日本の折り紙になぞらえて「オリガミスト」というとのこと。思わぬところで日本語が使われているのも驚きだった。つくづく人間は、良くも悪くも想像力の豊かな存在なのだと実感させられる。 
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英国は世界の絵画取引の中心地なのに、伝統的に、絵画の盗難や、売買や、贋作作りを犯罪として取り締まるには他の凶悪犯罪が多すぎたのか、取締りが弱く、詐欺師が活躍する余地が大きかったようだ。ここで登場する詐欺師は、美術界の中心地、テートギャラリー他に入り込み、展覧会のカタログや、来歴を偽造し、交友関係も利用し、人々を騙し、偽作を高値で売りつけるという犯罪を大々的に行うのだが、それを告発した人々は、英国特有の階級社会、コネ世界の壁やら、警察の無関心に阻まれ、来歴の偽造が最早取り返しのつかないところまで行くことを防げない。

きちんとした来歴を偽造できれば、あとは美術の世界では、一流鑑定家の目なんぞよりも、堂等と偽作を市場に流通させることが出来、そしてそれは殺人事件なんぞに比べれば、大した犯罪扱いはされない、というかなり恐ろしい状況(というか現実)が描かれる。

難しい本かと思ったけれど、あっという間に読んでしまった。

贋作の歴史に興味がある方は是非。
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