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進化論が熱力学の第二法則に反しているのではないか、という疑問があります。でも、モノーに言わせれば全くその逆で、そもそも進化が不可逆なのはこの第二法則(負のエントロピーの増大)に従っているからだ、ということになります。また、人間独特の言語能力を進化の一要素として捉え直すべきではないか、という考えも記されています(ドーキンスが同じ試みをしていたと思います)。
モノーはカミュに大きな共感を抱いているようです。冒頭にカミュの「シシュフォスの神話」からの引用があり、最後の章は「王国と奈落」と題されていて、これまたカミュの「追放と王国」を連想させます。カミュ好みの「無関心」が世界観の底を流れていて、「知識の倫理」(知は力なり?)に人類の未来を託しています。進化が「必然」なら人類は「知識の倫理」に向かうでしょうが、「偶然」なら絶滅することもあり得るのでは、と私には思われます。
個人的には、随分以前に読んだ本の再読です。1970年に書かれた本なのに現在も絶版になっていないことに敬意を評します。きっと本書には、その後の科学の進歩(新知識による書き換え)では語り尽くせない何かが含まれているからだろう、と推察します。
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