紹介されいている料理はどれも玉村さんが日常的に作っている定番のもの。食材への細かな配慮、いかにそれをおいしく食べるか、ということが実にきめ細かに綴られている。野趣あふれる新鮮な素材が、繊細な(ときに豪快な)一皿に変わるプロセスによだれが出そうになる。料理手順には分量や時間の記載がない。それでも本を見ながら作ることができるのは、繰り返し作られているという料理が玉村さんの一部になっているからだと思う。手慣れた手順、感覚がストレートに文章化されていて、とてもわかりやすい。こんな音がしたら次の材料を入れる、こんな色がついたらできあがり‥できあがっていくプロセスに想像力が働くと、かくも料理は楽しい、と思う一冊。