中国の誓紙に書かれた日本に関する記録の読み下し文と訳文を収録する。
「『三国志』魏書東夷伝倭人条」通称、魏志倭人伝の一部である。
其の国。本亦(もとま)た男子を以って王と為す。住(とど)まること七、八十年、
倭国乱れて、相攻伐すること年を歴(へ)たり。乃ち共に一女子を立てて王と為す。
名づけて卑弥呼(ひめこ)と曰(い)う。鬼道に事(つか)え、能く衆を惑わす。
年、巳(すで)に長大なれども、夫壻(ふせい)無し。男弟有りて国を佐け治む。
卑弥呼王と為りて自り以来、見(まみ)ゆること有る者少なし。婢千人を以って
自ら侍らしむ。唯男子一人のみ有りて、飲食を給し、辞を伝えて出入す。居処、
宮室、楼観、城柵、厳かに設け、常に人有りて兵を持ちて守衛す。
こうして見るとずいぶんわかりやすく名文なのである。
なお、卑弥呼をヒミコと読むのは新井白石の説なのだそうである。
この本では、卑弥呼=姫子=ヒメコ説をとっている。