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倭人伝を読みなおす (ちくま新書)
 
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倭人伝を読みなおす (ちくま新書) [新書]

森 浩一
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

古代史の一級資料「倭人伝」。邪馬台国や卑弥呼への興味から言及されることの多い文章だが、それだけの関心で読むのは、あまりにもったいない。正確な読みと想像力で見えてくるのは、対馬、奴国、狗奴国、投馬国…などの活気ある国々。開けた都市、文字の使用、機敏な外交。さらには、魏や帯方郡などの思惑と情勢。在りし日の倭の姿を生き生きとよみがえらせて、読者を古代のロマンと学問の楽しみに誘う。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

森 浩一
1928年生まれ。同志社大学名誉教授。日本考古学・日本文化史学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 217ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2010/8/6)
  • ISBN-10: 448006558X
  • ISBN-13: 978-4480065582
  • 発売日: 2010/8/6
  • 商品の寸法: 17.5 x 10.9 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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27 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By チャックモール トップ500レビュアー
著者は、邪馬台国論争に当たって、一次資料である魏志倭人伝をなぜしっかり読んで、解釈しようとしないのかという問題提起をします。
たとえば、倭人伝はなぜ「倭伝」でも「倭国伝」でもなく「倭人伝」だったのか。
国によって記述の長い・短い、あるいは具体性に差があるのはなぜか。
あるいは、長年日本にいた張政という人物はその後どうしたか、なぜ誰も関心を持たないのか。

読んでみて、なるほどこういったアプローチの魏志倭人伝解釈本はあまり読んだことがなかったな、と思いました。
非常に知的好奇心を刺激される一冊です。

著者は邪馬台国九州論者ですが、別にそれを声高に叫ぶわけではありません。
ただ、ご自身の研究への自負や、学会の現状には一家言あるご様子。
そのあたりは、私にはなかなか興味深かったです(笑)。

新聞連載を元にまとめたそうで、各話がコンパクトで読みやすいのも特徴です。
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28 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By E=mc2 VINE™ メンバー
邪馬台国論争というと、倭人伝の文面だけに着目した強引な解釈や怪しげな解読が巷に溢れていますが、本書はそうしたものとは根本的に異なります。倭人伝を含む歴史書「三国志/魏志」の記述全体への目配りやその他の中国の史書との比較対照、最新の考古学の知見や現地へのフィールドワークも踏まえた、新書版ながら説得力のある歴史本になっています。

紀行文でもある倭人伝の出発地である帯方郡(朝鮮半島中西部)から始めて、朝鮮半島南岸部、対馬、壱岐…と登場する地名に対しての考察を一歩一歩進めていくスタイルをとっているので、読んでいて安定感があり、奇を衒った記述や論理の飛躍といったものを殆ど感じることがありません。さらには松本清張や石川九楊といったいわゆる歴史の専門家ではない人たちや在野の歴史研究者の見解であっても十分尊重し、みるべきものは取り上げるといった柔軟さもあります。考古学界の重鎮ながら、権威者ぶらない森先生の姿勢に好感が持てます。

改めて知りましたが、倭人伝に記載されている倭国の地名の殆どは、主に九州北部に集中していることが判明しており、その九州北部の国々を統括していた邪馬台国と抗争状態にあったとされる狗奴国も、熊襲=球磨=熊本南部に比定されているとのことです。さらに驚くことに、帯方郡から倭国に派遣されていた使者が、倭国の政治動向に対して想像以上に大きな影響力を持っていたことも示唆されています。古代史はここまで進んでいるのだよ、と教えられた気分です。

巻頭に記されている通り、著者の意図は邪馬台国の所在地論争を展開することでなく、倭人伝の圧縮された、しかし豊穣な記述内容を読み解いて、古代の倭人・倭国の姿をいきいきとよみがえらせることにあります。だたその結果として、邪馬台国や卑弥呼の謎解きもできてしまう仕掛けになっています。

なお本書の原文は、九州の地方紙・西日本新聞に連載されたものだそうです。地元九州の人々は、目をみはるような思いでこの連載記事を読み、改めて自分たちの住む地域に大きな誇りを感じたことでしょう。「考古学は地域に勇気をあたえる」という著者の言葉は、けだし名言です。
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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ishilinguist トップ500レビュアー
 邪馬台国論争はもちろんのこと、古代史研究必須の文献であるいわゆる魏志倭人伝。古くから研究がなされ、微に入り細をうがつ状況が極まっている印象が強く、一通りの論点は議論され尽くしていると思っていた。
 しかし本書は、そういった前提や偏見を取り払い、虚心坦懐にその述べるところを、地理や民俗学、考古学的な知見と一つ一つ丁寧に突き合わせて、古代史史像を秋かにしていくものである。その示すところは、人間味の強いもので、また、邪馬台国九州説やいわゆる東遷説を強く志向するものである。
 近年では邪馬台国近畿説が有力な情勢が強いけれども、そんな流れを一石を投じる、魅力的な新書である。
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