まず、思ったのは世界感をコンパクトにして面白く見せようとする工夫が感じられました。
作画もかなり綺麗で、年代が80年から90年くらいでしょうか、リアルな世界感設定が念頭に置かれており、人間の世界で工夫して、どう小人が暮らしているかという見せ方は非常に上手いと思いました。両面テープの使い方とか……
キャラも、とても可愛いです。
ジブリ作品は殆ど見ておりますが、今回私がもっとも引かれたのはBGMでした。今までにない物静かな澄んだ曲の数々が非常に印象的です。
個人的に、今作のBGMは今までのジブリ作品でも三本指に入ると思います。
作中のDTS-HD5.1chも臨場感もあり、とても綺麗です。凄く凝ってるな〜と思いました。
しかし、多くの方が述べられているとおり、見せ場という物が特に無いのが残念です。コンパクトに纏め、アニメーションでしかできない工夫で見(魅)せるのは非常に好感が持てますが、全体のストーリーの起承転結の『承』の部分の最後のほうで終わってしまった感じがします。
アリエッティの長いお話の一部を見せられた感じで、これから面白くなりそうな所で終わってしまったのが何とも残念。でも、単品の作品としては結構面白いと思う。しかし、一応悪役である家政婦の行動はイマイチ具体性というか、結局何をしたかったのかよく分らない位置になってしまったのがとても残念です。
でも、ハウルやゲド戦記のように中途半端に大きくして中途半端に纏めるよりは、こちらのほうが今のジブリには丁度良いのかもしれません。
かつてのナウシカやラピュタなどの冒険活劇を期待するのはゲド戦記で諦めましたが、今回のアリエッティのノウハウを今後に生かして欲しいと思います。
多くの方がよくレビューされる声優の事ですが、今回は正直それなりの演技の方々が多かったので特に気になりませんでした。中には少し気になる演技の方もおりましたが、あからさまなネームバリューではなく、声優として耐えられる実力を持った俳優がそろっていたかと思います。
これは凄く個人的な意見になってしまいますが、実力がそれなりに伴っていれば俳優でも声優を任せても良いと思います。(プロダクションIGの『BLOOD THE LAST VAMPIRE』の主人公を工藤夕貴が演じていましたが凄くかっこよかったです)
最近のジブリはネームバリューを全面に押して、声を使った演技の実力が伴わない俳優を数作品連続で起用していたため、多くのファンを落胆させたことは事実ですし、俳優の起用に拒否感を持ってしまうのは仕方が無いと思います。しかし、今作はそう言った視聴者の意見を多少なりとも汲み取ってくれたメンバーだと思います。
アニメは多く見ますが、今作は雰囲気的に本職の声優さん一色で染めなかったのは正解だと思います。声の演技は体の演技よりも視聴者に伝わるので、場合によっては作品の雰囲気を壊す場合もあるし……
総合的な評価として、ストーリーは後1時間ほしい作品でしたが、話のテンポ、見せる工夫やBGMなど良い点も多く、俳優さんの演技もそれなりに耐えられる作品ですので☆4でお願いします。