本書は心理学者の
ハワード・ガードナー「多重知能」と、
R・J・スターンバーグの「思考スタイル」を中心として、
人の個性を最大限に引き出すためにどうするのが最も効果的か、
それを初等教育で展開するためにどうするのが最も適切か、
をあらわしたものです。
驚くべきは、これがアメリカの国家戦略となっていることです。
これと日本の教育現状を比較すれば、日本は完全に周回遅れです。
Educationを教育と訳したところからすでにおかしくなっています。
日本は教えることが可能な知識、
測定することが可能な知識、
一律に教えることが可能な知識を、
重視しすぎた初等教育になっています。
さらに、教師もこれに適した人材が登用されており、
知識伝達以外のことは苦手な人がたくさんいます。
よって「ゆとり教育」にも本来の意義とは反対に、マニュアルがなければできない教師がたくさんいます。
本書は、心理学をフルに駆使したプログラムになっていますので、
文化の違いによって多少のカスタマイズをすれば日本でも適用可能です。
知識を単に覚えさせるのではなく、
個々人の個性を見極め、それを最大限に引き出し、
市場原理がよりいっそう働く社会のなかで、
自己責任で生きていくことができるような育成が必須です。
最近、ニート、パラサイトなどという言葉がはやっていますが、
原因のひとつには日本の教育制度そのものがあります。
教育制度を変え、教師の要件を変えなければ、
日本の未来は危ういものになるでしょう。
教育界にいる人たちはできるだけ早く改革しなければなりません。
そのために本書は必須のものです。