著者は既存の社会学、生物学、心理学を序文で批判する。そして自身の物理化学者としての経験から、自然科学に対する誤った考え方がこうした間違った理想を追求する人文社会科学を生んだとする。基本は全体主義的な科学の統制にたいする異議なのだが、著者はウィトゲンシュタインもポパーも妥協せず批判する。自然科学とは違い、著者が20代のころアインシュタインにやった反批判のようなことは人文社会では出来ないことを誤ったのだろうか。結論は、生命形態がそもそもどのようにして存在するようになったのかという人類の進化も射程に入れた「超生物学」。私は高校の頃これを読んだ。しかし、彼の分子生物学批判は現在受け入れられていない。私は彼が残したものを探ろうとして三木成夫に飛んだりした。だが、遺伝子生物学に対する反論は現在趣味の域を出ない。
著者は存在論=生命論と同値させ、宗教と科学の問いを同値させようとしたのだといえる。