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確かにこの本はとても読みやすい小説です。そして「障害をもって生まれてきたこの子を、私は引き受けて生きていくことができるか?」という設問に対して私自身、主人公とともに激しく苦悶し、現実逃避の心を抱き、そして最後にはひとつの決意のようなものが胸の中にかすかに生まれるのを感じたのです。
物語によって与えられる悦びというのは、まさにこのように登場人物という他者の人生を生きるという経験でしょう。この小説にはそういう経験と悦びを与えてくれる力があると思います。主人公の人生そのものがたとえ苦いものではあっても。
10人中10人が「よかった」「感動した」等と同じ感想を述べるようなものは、粗筋であって小説ではないのです。
「個人的な体験」は、まごうことなき「小説」です。
難しそうで読めない、という方も頑張って読んでほしい。
簡単で読みやすい本より、ずっと素晴らしい読後感を得ることができるはずです。
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