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個人的な体験 (新潮文庫 お 9-10)
 
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個人的な体験 (新潮文庫 お 9-10) [ペーパーバック]

大江 健三郎
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (20件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

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27歳の予備校講師鳥(バード)は、結婚して間もなく子供が生まれようとしているのにいまだアフリカへの冒険旅行を夢見ているようなモラトリアム青年である。そこに、とうとう子供が生まれた、それも頭に異常のある障害児だという知らせを受けて、バードは今後いっさいの行動の自由が奪われたと絶望し、アルコールに、そして女友だち火見子との性交渉に逃避する日々を送ることになる。その間に子供が衰弱死して責任から解放され、火見子と連れ立ってアフリカに出発することができればというのがバードの期待だったが、その土壇場にきて、彼はこうした態度が自己欺瞞であり、自分の人生を台無しにしてしまうと自覚し、赤ん坊を引き受ける決断をする。障害を軽減する手術が成功して退院できることになった子供と妻を連れたバードは、確かに自分が変わったこと、大人になったことを感じる。
戦後新世代の旗手として華々しく登場した大江健三郎は、初期作品においてまず、閉塞した社会状況に抵抗し、そこから脱出しようとする若者たちを描いたが、1964年に書き下ろしたこの長編(新潮文学賞受賞)において、状況から逃げるのではなく、積極的に引き受けるようとする成熟、自立した青年像を提示し、中期創作への道を踏み出した。現在作曲家として知られる長男光の誕生をきっかけとして生まれたこの作品は、その後の大江と光の親子関係の発展をたどっていく一連の物語の出発点でもある。(大久保喬樹)

内容(「BOOK」データベースより)

ノーベル文学賞受賞。異常をもって生まれたわが子を抱える青年の魂の遍歴、絶望と背徳の日々―。新潮社文学賞受賞の名作。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • ペーパーバック: 258ページ
  • 出版社: 新潮社 (1981/02)
  • 言語 日本語, フランス語, フランス語
  • ISBN-10: 4101126100
  • ISBN-13: 978-4101126104
  • 発売日: 1981/02
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (20件のカスタマーレビュー)
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30 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By yukkiebeer #1殿堂 トップ50レビュアー
形式:ペーパーバック
 大江健三郎がノーベル文学賞を受賞したときに、何か一冊読もうと思ったのだけれど、どうも彼の小説はおそろしくむずかしいものばかりだというのが世間一般の通り相場でした。そこで文学に造詣が深く、大江の大ファンだという友人に、何か私みたいな<文学素人>でも読める大江作品を紹介してほしいと頼んだのです。そして「読んでいる途中で投げ出す心配が少ない作品」として紹介されたのがこの「個人的な体験」でした。

 確かにこの本はとても読みやすい小説です。そして「障害をもって生まれてきたこの子を、私は引き受けて生きていくことができるか?」という設問に対して私自身、主人公とともに激しく苦悶し、現実逃避の心を抱き、そして最後にはひとつの決意のようなものが胸の中にかすかに生まれるのを感じたのです。

 物語によって与えられる悦びというのは、まさにこのように登場人物という他者の人生を生きるという経験でしょう。この小説にはそういう経験と悦びを与えてくれる力があると思います。主人公の人生そのものがたとえ苦いものではあっても。

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35 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
読書の経験 2000/11/15
By カスタマー
形式:ペーパーバック
よい作品というものは、読者に経験の“痕跡”のようなものを残す。この作品は生まれて来た子供が畸形であったことで決定的に、深甚な自らの存在に関わる不安の中に陥った主人公の“僕”が、そのように突如として自らに対して敵意を持ったものとして露に立ち現れてきた世界を受け入れていく、それと対峙して生きていくことを決心していく過程を描いているのだが、著者の文章は、読者を、その異様な、深い経験の中に連れ込み、読者の精神に経験の核を刻み付ける。そして、読者は、読後、不意にその“傷”が疼くのを感じ、深甚な不安の内に、それを乗り越えることを要求されるのである。それにしても、これほどまでの経験の痕跡を僕に与えた作品は、未だかつてないのであって、そういう意味で、この作品は僕に!とって最も大きな作品のひとつであり、そうである以上、他の多くの読者にとっても多かれ少なかれ衝撃的な作品であろうと思うので、出来るだけ多くの方に、是非一度読んで見て欲しいと思う。
このレビューは参考になりましたか?
22 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:ペーパーバック
今日び、小説なんていうものは多数流布しているものですが、
元来あるべき小説や文学なんていうのは、こういうものだと思います。
読んだ直後に感じることが、個人個人によって違う。
一貫する感想なんていうものがない。
そしてそれは数年後、また変化してしまう。

10人中10人が「よかった」「感動した」等と同じ感想を述べるようなものは、粗筋であって小説ではないのです。

「個人的な体験」は、まごうことなき「小説」です。
難しそうで読めない、という方も頑張って読んでほしい。
簡単で読みやすい本より、ずっと素晴らしい読後感を得ることができるはずです。

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までに至った経緯の中で、非常に重要な作品だと思います。... 続きを読む
投稿日: 2010/1/29 投稿者: excal
240ページと12ページ
... 続きを読む
投稿日: 2008/1/6 投稿者: ぬらりひょん
大江健三郎を読むのは初めてですが、
大江健三郎の長編小説を読むのはこれが初めてであり、
色々と新鮮な驚きを感じながら読んだ。... 続きを読む
投稿日: 2007/12/5 投稿者: 南コータロー
自己欺瞞から「忍耐」への、濃密な物語
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投稿日: 2007/9/30 投稿者: K内
買いです。
初期の作品が持つ猥雑さが、障害を持った長男の誕生という出来事を経て、これ以降長くこだわっていく親子の在り方を通じてしか世間や世界と関わっていくことができなくなって... 続きを読む
投稿日: 2007/8/11 投稿者: yoshioki6
大江をさらに読んでみたいきっかけとなった作品
大江の小説は難解である。しかし、少しずつでも大江と格闘する中で、彼の作品の持つ意味が理解できてきたような気がする。大江に関心を持ち始めて、10年以上たってから、手... 続きを読む
投稿日: 2006/4/17
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