うまく名状しがたいながらも感じていた世の中の“個人情報過敏”について、はっきりとした形を与えた上でズバッと斬って捨てている感じがして、読後感は非常に痛快でした。よくぞ言ってくれたって感じ! まあ、私もその「世の中」に入るわけだけど(笑)。こうしたがんじがらめの状態になったのは、1つにはわれわれの法律に対する無理解もあるが、実は、個人情報保護法自体にも、問題大ありなのだということがよくわかった。一言で言えば、護る必要のない情報(=プライバシーでもなんでもないもの)まで護ろうとしているから、身動きが取れなくなって社会が停滞してしまうということ。まさに帯の文句にあるとおり「ミソもクソも一緒」という感じだ。個人情報保護が絶対の正義として新たな“聖域”と化している現在、保護は賛成だが「過」保護は反対という主張は、きわめて真っ当であり有意義だ。