若くして亡くなったレーサー、浮谷東次郎の自伝。
今回は、高校卒業間近で単身渡米し、2年半後に帰国するまでの東次郎の軌跡を追っています。
1960年代という、海外旅行自体が冒険ともいえる時代の中、単身渡米するその東次郎の行動力には圧倒されます。
もちろん、その行動力を後押しできるほどの実家の財力があったことは否定できませんが、東次郎自身は渡った先で熱心に自分を売り込んで仕事を見つけるなど、たんなるボンボンではないところが素晴らしいです。
タイトルにある「俺様の宝石さ」は、本文での東次郎の言葉からとられていますが、それはもしかして若くして逝った東次郎自身のことを暗示していたのか、と考えるのは私だけでしょうか。
ダイヤモンドは、地中で強烈な圧力をかけられて凝縮されるがゆえに、宝石の中で最高の硬度と輝きを放ちます。
東次郎も人生も、短い一生がこの青春時代に圧縮・凝縮されたからこそ、今でも語り継がれるのではないでしょうか。