大物実力俳優×自信過剰な駆け出し俳優。
秀さんの作品の魅力は、自分の仕事に誇りを持った男たちが駆け引きとか互いの仕事に対する
理解とかそういうのをぶつけ合って読者が引き込まれていくところにあると思います。なのに
この作品はそういうところは薄く、立場が上にある攻めによる、我がままに生きてきた受けの
矯正に終始しているようで、正直、秀さんらしさが薄れていたかと。自業自得な内容でオーク
ションにかけられるとことか、買ったのが尊敬する俳優とか、主人公が鼻持ちならない美貌の
男とか、言ってしまえばありがちな話でした。この手の内容は秀さんじゃなくてもBL界に
あふれているわけで、いつものうきうきするようなやり取りを期待して読む人には物足りない
と思いました。登場人物の本業で働いている姿がほとんどなくて、むしろ、書かれていない
これからの恭一と有馬の舞台の世界でのぶつかりあいがメインなら嬉しかった。半分がこの本
の内容で、半分がこれなら評価は全然ちがったかなあ。