「ウルトラマンが最初からスペシウム光線を使えば怪獣は瞬殺」とか「仮面ライダーカブトが陸上競技に出ればクロックアップでぶっちぎり」みたいなある種のセオリー破り、反則技を駆使して世界を救っちゃおう!というお話です。狙いは悪くないと思います。だってみんなそういうのが好きですから。
ストーリーとしては、現代異能的な幼馴染と宇宙のプリンセス、異世界の薄幸少女とベッタベタなヒロイン3人のイベントが並列して進行します。凡人な主人公には基本的に問題解決能力はないため、それぞれの世界で手に入れたアイテムやヒロイン達の能力を駆使してハッピーエンドを目指します。一応、ロジック的には良くまとまっているので単純な力押しではない面白さはあると思います(サプライズというほどの物はないですが)
ただ、物語を構成する諸々のディテールがことごとく安っぽく(狙ったものであるとしても)また描写不足なのではっきりいって読み物としては物足りません。良くいえばお手軽ですが、個人的には合いませんでした。
この手の勢い・ノリ重視の作品ならなによりキャラの魅力が大事なはずなのだけど、その辺も弱いですね。主人公は鈍感・八方美人・お人よしと三つ並んだ見事なまでの没個性ですし、ヒロインに至ってはほぼ舞台装置以上の役割はありません。特に物語に介入できないアールなどは何の為にいるのかわからないキャラでした。
今後も作品が続くのだとすれば、改善すべき点や課題がたくさんあると思います。もっと絶望的な状況や終末的な敵を、セイヤーッ!っとやっつける爽快感。そういったものを見せてくれると嬉しいです。今回は敵がしょっぱすぎました。