手帳型の水色表紙の「俳句難読語辞典」本書…開きたくない気がするのは、どうしてでしょう?開かなくても、どうせ「難読語」以上のものではないと高を括るからでしょうか。失望するのでもなく期待もしていないからでしょうか。
季語だけを載せた『歳時記』『季寄せ』と違って、難しそうな漢字俳句用語を集めてあるのが、本書の特徴と言える。
一つひとつの例語を挙げてみて、独りを楽しむ。
黒揚羽じつと泳(こら)へて樹々はあり 永田 耕衣
波音とうこんの花と頤(おとがい)と 岡井 省二
秋の田となりし眺めや陰(ほと)の神 清水 径子
唐寺の冬韋駄天の跫音(あおと)過ぐ 飯田 龍太
胸痛きまで鉄棒に凭(よれ)り鰯雲 寺山 修司
栗の花峠に饑神(ひだるがみ)のゐて 茨木 和生
此宿は水鶏もしらぬ扉(とぼそ)かな 松尾 芭蕉
舫(もや)ひてここに正月の舳をならべ 種田山頭火
燦爛(さんらん)と波荒るるなり浮寝鳥 芝 不器男
鶏頭の澎湃(ほうはい)として四十過ぐ 石田 波郷
最後に、最難読語を抜き出しておく。
鬣(たてがみ)蹼(みずかき)蛻(もぬけ)椴(とど)舳(みよし)
萵苣(ちさ)犇犇(ひしひし)膽蜍(ひきがえる)海霧(じり)
鞠躬如(きっきゅうじょ)無患子(むくろじ)常山木(くさぎ)