スタニスラフスキーの「俳優修業」第一部。
旧訳は英語版「An Actor Prepares」の訳であり、この本はロシア語版から訳したものだそうなので、旧訳に収められていない箇所も訳されていることでしょう。
日本語の訳は、古い「俳優修業」と、そんなに違いはありませんが、まだ逐語訳だったほうがよかったかもしれません。読みやすいように訳すことを心がけたために、余計日本語の表現がわかりにくなったり。
言い方を変えているだけで、言葉の読み取りづらさは変わらなかったり。
例:有名な「超目標」は「究極課題」と書かれています。
また、訳している方は、演劇やスタニスラフスキーに詳しいとはいえません。
スタニスラフスキーは用語の解釈がとても難しく、演劇的センスがないと、なにをいっているのか理解できません。「こんな訳をつけたら余計わからなくなる」という箇所が多々見受けられます。
スタニスラフスキー研究家ジーン・ベネデッティもいっていますが、スタニスラフスキーの言葉は多くの意味を含み、研究家でも厄介なのです。それをスタニスラフスキーに詳しくない、しかも演劇的センスのない方が翻訳しても、一層スタニスラフスキーがわからないと思われるだけです。
広く行き渡ることはないでしょうし、行き渡っても翻訳の悪さからあまり実用性はないといえます。