本書はタイトルの通り著者の修身の授業の講義録を2回分まとめたものである。講義ごとに独立した内容のため、タイトルの気になった章から読んでも面白いと思う。昭和初期の内容だが、現代でもほとんど色あせていない。特に私は下座行(「げざぎょう」と読むらしい。自分の実力よりも低い立場に甘んじながらも不平不満をいわずまじめに仕事に励むことが人間的鍛錬に通じるとのこと)の講話では、つい仕事がつまらないと思う度に態度に出やすい自分の未熟さと傲慢さが痛切に反省させられた。本書を通じて教育者たるものの情熱が熱く解かれているが、教職についていなくても、一定の年齢を過ぎると我々はある意味で皆(子や後輩の)教育者なのだと思えばすんなり受け入れることができるはず。定期的に開きたいと思える本がまた一つ増えた。