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修復の理論
 
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修復の理論 [単行本]

チェーザレ ブランディ , Cesare Brandi , 小佐野 重利 , 大竹 秀実 , 池上 英洋
5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 3,150 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

本書は修復の科学技術や技法を説くものではない。芸術作品や文化財の保存・修復が実行される以前、あらかじめ省察を必要とする理念を問題とする。わが国でも高松塚古墳、キトラ古墳の保護・継承をめぐり議論が高まる中、参照すべき必携の書である。

内容(「MARC」データベースより)

修復家は、職人でも芸術家でもなく常に歴史分野の専門の助けを仰ぎ指導を受けながら、複雑な職務をもっとも適切な形で完遂できるように「手わざの知恵」をそなえた教養ある「技術者」でなくてはならない。修復の倫理哲学。

登録情報

  • 単行本: 283ページ
  • 出版社: 三元社 (2005/07)
  • ISBN-10: 4883031594
  • ISBN-13: 978-4883031597
  • 発売日: 2005/07
  • 商品の寸法: 21.2 x 13.2 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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36 人中、34人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0 読める本を出して欲しい, 2007/4/30
レビュー対象商品: 修復の理論 (単行本)
訳文が極端に悪く、ほとんど読めない。ハイデガーの「現存在」やフッサールの「現象学的還元」を知らないのはご愛敬か。しかし文章全体が深刻な問題を抱えている。たとえば28頁。「われわれが芸術作品という名を与えているこの人間活動の特殊な産物は、明らかにわれわれの意識の中に存在する特異な固有の認識によって生み出されるものである。この認識はいわば二重の意味で「固有」なものであり、あらゆる個人がその都度、認識しなければならない点において、そうでなければ各個人が行う認識のためにしか引き起こされないゆえに、固有であるといえる。」何ですかこれ?

 全編がこの調子で、私にはまるで理解できない。「特異な固有の」。特異と固有は違わないか?「そうでなければ」。必要十分条件の見落とし。「認識のためにしか引き起こされないゆえに」?こんな日本語があるか。(引用しなかったが、その直後に出てくる「作品が眼前にある」という訳も大間違い。)

 訳すならこうか。「人間の活動から生まれた一つの物が芸術作品と呼ばれるのは、そこに或る特定の認識、意識の中で起きる特定の(「これは芸術作品だ」という)認識が関与するからである。この認識は二重の意味で「特定」の認識である。なぜなら、それはその都度、或る「特定」の個人によって行われなければならないし、逆に、「特定」の個人にそれをしてもらう以外に、その所産を芸術作品として認定する術はないからである。」 

 修復分野の重要文献とされるブランディがこういう形で出たのはまことに悲しいことだ。28頁の担当者はイベントなどでご多忙なようだが、きらびやかでない、実直な仕事をお勧めする(翻訳の責任は監訳者ではなく訳者自身にある)。なお私はイタリア語原文ではなく(入手困難だしそもそも読めない)、フランス語訳を見てこの文を書いている。原文を見ないで訳を批判するのは冒険だが、沈黙する訳にもいかないではないか。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 訳文はともかく内容はおもしろい, 2010/10/18
レビュー対象商品: 修復の理論 (単行本)
訳文が問題になっていますが、読了してみて、それは本質的問題ではないと思いました。

ハイデガーやフッサールの概念を知っていれば素晴らしい訳文になったかも知れませんが、それで本書の価値が左右されるとは思えません。監訳者の小佐野重利氏が「監訳者あとがき」で書いているように、全体的に見て日本でのもっとも適任の訳者で、これ以上を求めるのであれば原文でどうぞということだと思います。もっとも小佐野氏は、そもそもイタリア語の原文自体難解であり、読解のためにはブランディの修復に関する思考体系の理解が必要だったとも書いていて、それに加えて哲学的教養も兼ね備えたイタリア美術研究者を探すのはないものねだりではないでしょうか。また、訳者がイベントなどをやめた方がいいというコメントも本書の内容とは無関係です。「修復分野の重要文献とされるブランディの訳書のレビューがこういう形で出たのはまことに悲しいことだ」とだけ述べておきます。

この問題はさておき、内容はおもしろい(もちろん難解な部分はたくさんありました)。
オリジナルに修復するのか、時間の経過を残すのかという古典的な問題はもちろん、技術論として修復のために額縁を残すのかなど、私のように絵画には興味があるけれどもこういう問題を深く考えなかった人間にはとても刺激的な本です。それに「物質」「潜在的統一性」「歴史性要件」「美的要件」「時間」「空間」といった整理も小気味がいいし、文章もほとんどが言い切りで「だろう」とか「かもしれない」という曖昧な語尾がないのは、修復に実際に関わった理論家ならでは自信だと思います。また、ワニスなどの素材論も、各時代のスタイルしか教えず、それを下支えする技術や材料を教えてくれない日本の美術史教育には見られない視点でした。

くわえて、本書にはローマの中央修復研究所のジュゼッペ・バジーレ氏と小佐野重利氏の解題解説が所収されています。ブランディのプロフィールやその影響が紹介されています。最初のこの2文と序章の「修復の概念」をしっかり読んでから内容に進んでいけば理解も深まるかと思います。

訳文にいくつかの問題があるからと言って読まないのは、とてももったいないです。
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