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「信長公記」に肖って名前を「信長新記」と変更して新訂したらしいのだが、
その前の作品、知りませんでした。
佐藤大輔氏に興味があり、買ってみて一気に読んでしまった。
これは素晴らしい。
歴史に「もし」はないが、だからこそ、もし仮に本作品と同じ歴史的転換点
が訪れれば、同じ道を歩きそうだ。
よくここまでリアリティ溢れて書けるもんだと感心してしまう。
逆にどれが嘘なのか、どれが本当の歴史からの引用かわからない。
見事な虚構である。
簡単に読める割に、内容が濃く、登場人物がどれも魅力的。
歴史上の人物のイメージを壊すことなく、それ以上の味を人間味を
通して表現している。
惜しむらくは、現代の状況が説明不足。
本作品では、現代から過去の中世の終りを振返り歴史を記述する
形式を取っている。
その歴史があったればこその、本作品世界の現代、つまりありうる
現代の1つである我々の現代のパラレルワールドについて、
説明がやや不足している。
作品上、重要な点ではないが、中途半端な説明をされているので、
かえって気になる。
大和民国とか、大英帝国の敗北についての説明が少ない。
大体想像はつくが。
戦争ものや、歴史小説が好きな人にはお勧めの一冊。
ある意味、司馬遼太郎の作品の後に読むと、一層面白いかもしれない。
私は「功名が辻」の後に読んだので、雰囲気にすぐ同化してしまった。
やや軍事に脱線するきらいもあるが、それも隠し味。
間違って子供に読ませたら、史実と思われてしまうかもしれない。
完成度はかなり高い。
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