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信長と家康: 清須同盟の実体 (学研新書)
 
 

信長と家康: 清須同盟の実体 (学研新書) [新書]

谷口 克広
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商品の説明

内容説明

信長と家康、二人は同盟した。信長は天下統一を目指し、家康はそれに協力する。関係は信長が死ぬまで続く。はたしてその同盟関係は一様なもの不変的なものだったのか? 戦国時代の基軸となった清須同盟の真の実体に迫る!

内容(「BOOK」データベースより)

信義なき戦国時代であっても数多くの同盟が結ばれている。そして、ほとんどが数年後に破棄されているのだ。事情が変われば信義などない。それが戦国の常識だった。ところがその常識がくつがえる現象が一つだけある。信長と家康との間に結ばれた「清須同盟」である。なぜにこのような奇跡とも呼べる現象は起こったのか。いったいこの二人の間にはなにがあったというのか。信長と家康―真の清須同盟の実体に迫る。

登録情報

  • 新書: 302ページ
  • 出版社: 学研パブリッシング (2012/1/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4054052134
  • ISBN-13: 978-4054052130
  • 発売日: 2012/1/17
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.9 x 2.1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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信長本を量産している谷口克広氏による一冊。
タイトルから信長と家康の同盟関係(清洲同盟)がメインと思われるかもしれないが、実際は信長と家康の戦歴を網羅するような内容で、清洲同盟については全体の中の一部となっている。

前著『信長・秀吉と家臣たち』でも思ったことだが、通俗的なストーリーをなぞりつつも、一次史料に分け入って、このストーリーは実際はこうだった、と史料の検討を通して史実のディティールを加えることで歴史ドラマを肉付けしていく。これによって、より立体的・肉感的に歴史が立ち上がってくる。この感覚が心地よい。谷口氏の真骨頂といえる。

実例を紹介してみよう。
桶狭間の戦いで今川義元が敗れたあと。家康はさっさと今川氏から独立したとこれまではとらえられていたが、史料の残存状況からすると、家康による西三河平定作戦は今川氏真の承認のもとに行われた可能性が高いのだという。西三河平定→氏真との断交→一向一揆との戦い→東三河平定という順序で戦国大名として自立していったらしい。

いわゆる信長包囲網についても検討している。
これまで将軍義昭が信長包囲網のフィクサーと言われてきたが、その根拠とされてきた書状は信玄没後に書かれたものだという。そして、西上直前まで信長と友好関係を保ってきた信玄は除かれる。
そのように検討していくと、信長包囲網の仕掛け人として妥当と言えるのは本願寺顕如なのだという。

そして、本書のタイトルとなっている信長・家康の同盟について。
家康の長男・信康が切腹させられた事件。この件はこれまで信長から切腹を強要され、拒めなかった家康が泣く泣く切腹させたとされていたが、実際は信康によるクーデターを家康が未然に防いだものだという。
では、信長と家康は対等だったかというとそういうことはなく、信長の権力が伸長するにつれて、家康は信長から領地の配分を得るなど、従属化が深まっていったということだ。

以上、前著よりもやや歴史ファン向けの突っ込んだ内容となっているが、興味深いトピックが多いので戦国史に興味のあるかたには一読をおすすめしたい。
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By ともぱぱ 殿堂入りレビュアー トップ50レビュアー VINE™ メンバー
本書は尾張織田家、三河松平家の起源から書き起こし、信長・家康の幼年時代からそれぞれ自国を統一して飛躍する過程を、2人が関連する場面に重きを置いてまとめた戦国史。2人が関連する場面とは、桶狭間の戦い、水野氏を仲立ちとする同盟関係の成立、信長の了解の下行われた家康の遠江侵攻、姉川の戦い、武田氏との戦い(三方ヶ原、長篠)、信康事件、天正十年の武田氏との最後の戦い、そして本能寺の変での信長の横死と家康の窮地脱出。さらに家康の甲斐・信濃進出を中心にポスト信長の世界も覗く。

副題が「清州同盟の実体」となっているが、同盟の内容を記述した文書があって2人がそれを遵守したという訳ではない。2人の熱い友情物語がある訳でもない。清州同盟という名前からしてあやしい。

2人の利害が一致する状態が偶々長期間続いたということであって、まず今川氏(信長は信玄とも頻りに連絡をとっていた)、今川氏が滅んでからは武田氏という共通の敵の存在がそれだけ大きかったということがわかる。

著者の信長本等で信長について既に詳しいという人には、本書の信長のパートは重複になる。それでも、松平氏や家康幼年時のことを書いた新書・文庫は目にしないので本書は貴重。そして2人の関連を通じて見えてくる東国勢力の興亡は戦国史の新鮮な切り口を呈示する。

この1,2年上梓された戦国時代ものの幾つかの新書もそうだったが、本書の吟味した史料(発給文書レベルまで)に依拠するスタンスが好ましい。参考文献の列挙が7頁にわたる。

著者は戦国史の諸論点に関し藤本正行氏の説に近い立場を採りつつ、論調が藤本氏ほど先鋭的でない。それをどう受け止めるかは読者によって違うと思う。一つだけ、桶狭間の戦いに関し新説として乱取状態急襲説を紹介するが、藤本氏は既にこの説を論駁している。
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