信長記(俗)などに由来するとっくの昔に否定されているような俗説、
伝説を確信犯的に使い倒しています。
信長と古代シリア由来の狂帝ヘリオガバルスを初めて結びつけたのは澁澤龍彦
ですが、登場人物の名前や設定、挿話の端々に澁澤へのオマージュが
ちりばめられています。
妄想が暴走しているので、まじめな時代小説ファンなんかは受け付けない
かもしれませんが、しかし多分、作者には初めから狭義の“時代小説”
なんてつもりは微塵も無かったんじゃないでしょうか。
これはファンタジーだ。そのつもりで読むことをお勧めします。また、
この本を読んでおもしろかったらアントナン・アルトーの『ヘリオガバルス・
または戴冠せるアナーキスト』も読むとおもしろいと思います。