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信貴山縁起絵巻―躍動する絵に舌を巻く (アートセレクション)
 
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信貴山縁起絵巻―躍動する絵に舌を巻く (アートセレクション) [単行本]

泉 武夫
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,995 通常配送無料 詳細
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

日本四大絵巻のひとつ、国宝「信貴山縁起絵巻」。その全てを、物語の解読や、絵のみどころ、時代背景などから多角的に紹介します。並はずれた法力をもつ信貴山の僧・命蓮は、強欲者の米倉を飛行機のように飛ばしたり、重病の帝を祈祷で治したりしては、人々を驚かせ、大騒動を引き起こしていたという。この不思議で愉快な伝説を言葉と絵で記したのが「信貴山縁起絵巻」です。平安時代のSFアニメとも、日本一面白い絵巻ともいわれ、現代人が読んでも深く感動します。本書では全長35メートルの全編をオールカラーで収録し、拡大図版では色彩や質感を美しく再現。名場面には、わかりやすい解説を付します。

内容(「BOOK」データベースより)

全長35メートルにおよぶ国宝「信貴山縁起絵巻」をオールカラーで完全収録。絵描きの筆の息遣いや彩色の質感までを、迫力ある拡大図版で再現。表情豊かに描かれた貴族や庶民と、その風俗や信仰。平安の暮らしがよみがえります。平安人が驚嘆したこの絵巻を、現代人でも同じように追体験できるように解説。「信貴山縁起絵巻」はいつ、誰が描いたのか?天才的な絵描きの正体を推理する。

登録情報

  • 単行本: 127ページ
  • 出版社: 小学館 (2004/09)
  • ISBN-10: 4096070203
  • ISBN-13: 978-4096070208
  • 発売日: 2004/09
  • 商品の寸法: 24.4 x 18.4 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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11 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By patella
形式:単行本
 三巻にわかれ、信貴山にまつわる三つの話が描かれた絵巻物「信貴山縁起絵巻」。「伴大納言絵巻」「源氏物語絵巻」とあわせて三大絵巻と呼ばれるものである。鉢に乗って倉が飛んでいったり、帝の病を治す護法童子が瞬時に現われたり、とお話一つ一つもなかなか面白いが、なんといっても絵が凄い。人物の表情も豊かだし、動きもいきている。幽玄ともいえる風景を上手く挟み、巻物という世界でお話を動かしていく作者の工夫もある。飛んでくる護法童子の後ろに伸びる線、その前を転がる輪宝の動きをあらわした線など、今の漫画にもなじみのものではないか。日本のストーリー漫画はこんな時代から始まっていたのだな、と思わせる楽しめる絵巻である。タイトルどおり「躍動する絵に舌を巻く」。

 お正月のテレビ番組でこの特集をやっていたので、教科書的な知識しかなかったこの作品をもう一度じっくりみてみたいと思って手に取ったのがこの一冊である。この絵巻の面白さがしっかり味わえる優れた一冊であった。

 詞書(ことばがき)も活字へ直しただけのものと現代語訳とが載っている。絵巻自体は全体を織り込み見開きに縮小した全容、巻物を繰りながら見たであろうほどの長さ、要所の拡大、と三段階を載せてあり、じっくり味わえるようになっている。説明は細やかでもあるし、書き手の感動や楽しさが伝わってもくる。

 もうあとは、手にとってただただ、楽しんでください、と言いたい。堪能できます。

 これが描かれた時代にはコピー手段などあるはずもなく、楽しめた人はほんの少数に違いない。コピーにしろ、手元で気軽に目にすることができる現代人でほんとによかった。
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9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By cosmos5
形式:単行本
著者の美術史に対する造詣の深さのおかげで至れり尽くせりの本に仕上がっている。

信貴山縁起絵巻を鑑賞するうえでまたとない解説書である。

人間の慌てふためく姿をたしかな筆で活写する芸術的力量に驚く。
12世紀にかくも豊かに喜怒哀楽を表出する人々がいたことに驚嘆しつつも嬉しくなる。それをみごとに描いた名人の技に万雷の拍手をおくりたい。

特に、山崎の長者の顔がいい。最初の2景での驚く顔の壊れぐあいと、米蔵がみごとに飛んで空を滑空することを見極めたあとの落ち着いた顔の変化にはビックリ。どんな事態が次に発生しても受け止めようという度量の大きさを感じる。安堵感と感嘆が同居している。

どの男性も帽子をかぶっておしゃれだ。

底辺で社会の基礎を支えている庶民の姿が豊かに描ききれているのが気持ちいい。苦しい労働で社会を支えているもののおおらかさ、屈託のなさがうまく出ている。

たしか孫悟空は雲に乗って、じっと動かず如意棒を握って行く手を眺めていた。ここに出てくる「剣の護法」は雲に乗りつつ走っている。
アインシュタインの説によると、光の先端に乗って光を出しても光以上には速くならない。
「剣の護法」はいらぬ悪あがきをしている。

でも、「剣の護法」は走っている動作ですごいスピード感を生みだしている。F1のシューマッハ、かつての超音速のコンコルドをこえるでしょう。そんな迫力を感じます。たぶん、「スピード」という感覚が全くなかった時代に、時代をはるかに越えた絵師の才能を感じる。

馬が必ず出てくる。必ず歩いている従者が従っている。これじゃ徒歩旅行とスピードは変わらない。
その上、長旅には食料の調達が大変。馬は大食漢。宿場制度が整備されていない時代。2人の従者が運んでいる背中の荷の大半は馬の餌ではなかったか。
それでも馬を使う理由はなにか?
信貴山に行くことが困難な事業であることを視覚的に表したかったのではないか。ここにも絵師の創意と工夫を見いだす。
 
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