この本を読めば、若月俊一についてはある程度のことを知ることができると思う。いわば若月俊一の入門書とでも言うことができるのではないだろうか。読者はこの本をスタートとして、若月の世界へと引き込まれ、次は「村で病気とたたかう」あたりを是非読んでみたくなるのではないかとも思う。しかし、この本の面白さはそれだけではない。若月と著者は現実に上司と部下の関係でもあり、佐久総合病院は著者の現在の勤務先である。彼はこれら直接の対象の現実を驚く程冷静かつ公正な目で見ているのである。結果、実は南木の世界へも引き込まれるという非常に不思議な本である。