長期的な資産の運用が可能な生命保険は、損害保険よりも元受収入保険料が圧倒的に多く規模も大きい。しかし、バブル崩壊後、生命保険への信頼の低下と、金融ビッグバンによる規制緩和・自由化を受けての保険業界全体の経営の効率化・競争精神の高まりとがあいまって、今後の生命保険、損害保険の様相は予断を許さない。
規制緩和・自由化に加え、簡易保険の民営化、着実に発展を遂げてきた共済保険の存在感の高まりが生命保険、損害保険業界を刺激している。さらに、少子高齢化によって社会保障負担費がますます高まる国内において、まさに生命保険、損害保険は生き残りをかけた戦いを余儀なくされている。
本書はそのような生命保険と損害保険についてだけでなく、共済保険や公的保険についても解説されており、広く深く保険について知ることができる。
一つだけ苦言を呈せば、一文が長いために主述関係が把握しにくい。もちろん全ての箇所ではないが、所々で修飾語や説明の連なりが目立っている。
保険の仕組み、特徴、歴史だけでなく、保険の抱える問題についての対策が随所に書かれていて、そこから現在の社会問題の一側面まで考えることができる点が素晴らしいところである。