本作品は二期になりその演出手法に嫌悪感を示す声も散見するようになったが
そんなものは織り込み済みだと云わんばかりの動的姿勢が清々しい。
原作は元々圧倒的に言語で魅せる(視覚的にも勿論魅力的)作品なので
昨今顕著な描写や行間を読めないという理解力不足から来る問題が他作品と比較して
少ない事は利点。それだけに原作をそのままなぞっただけであったら
対象者やただテレビを見ている畑違いのクレーマーの餌食になった事は想像に難くない。
(TV放映とDVDで仕様が異なる話があるのも無理もない)
人間批判・社会批判をネタとして成立させる作風は原作で完成しているが
テクスチャー、文字の挿入、レイアウト、カメラワークに特徴のある
シャフト的・新房演出との相乗効果によって本作を他に類を見ないものとしている。
構成の小黒、東両氏の存在も大きい。
中盤を越えこれからも何か奇抜な事をやるだろう、というある種の予定調和を裏切り
アニメの表現手法を惜しみなく披露した第七話「津軽通信教育」。
原作巻末の小ネタ「リリキュア」のストーリー化や第九話の「絶望ファイト」等
パロディも高度に安定していて面白い。
またこの第三集収録ではないが原作最新刊のネタが早くも再現されている。
アニメ制作陣にも看過できなかったであろう「一見の條件」や「痴人のアリ」が。
商業の常として数字が出ても様々な弊害が生じるが、それでもこの作品が受けている
状況に安堵する。絶望の先に微かな光を見た。