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侏儒の言葉・西方の人 (新潮文庫)
 
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侏儒の言葉・西方の人 (新潮文庫) [文庫]

芥川 龍之介
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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登録情報

  • 文庫: 231ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1968/11)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 410102507X
  • ISBN-13: 978-4101025070
  • 発売日: 1968/11
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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断末魔の叫び 2002/12/7
表題作に加え、「続・西方の人」の3編を収録。

「侏儒の言葉」は、1~10行程度のアフォリズムや警句、箴言が次から次へと出てきます。言葉遊びに近いものもあれば、ちょっと考えさせられるものまで、それ一つをモチーフに小説が書けそうな鋭い視点の断片たちばかりです。芥川の人間嫌い、厭世感が漂うコンピレーションです。

「西方の人」、自殺の前日に書かれた「続・西方の人」は、人間としてのイエス・キリストの悩む姿を、聖書の記述に対する付記のような形で、断続的に書き連ねていきます。イエス・キリストの人間らしい苦悩と、芥川自身の苦悩を重ね合わせて記述していることは明白ですが、そこには2000年間にわたって後世に影響を与え続けたイエス・キリストの業績に対する憧憬と、自身の業績に対して絶望とがないまぜになった、屈折したメッセージが読み取れます。

「続・西方の人」を書いた翌日には芥川は自殺してしまうわけで、所収の作品はどれも、捨て台詞にも似た苦々しさに覆われているのが残念です。もちろんそこに芥川の苦悩の深さが読み取れるわけですが、カタルシスのかけらすらなく、救いが全くありません。理想を追い求め続け、ついに到達できなかった芥川の断末魔の叫びなのでしょう。芥川龍之介を最初に読むのであれば、別の作品を読まれることをお勧めします。

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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
『侏儒の言葉』は、「藝術」や「虚偽」や「恋愛」などについて、短い文章で、芥川らしい皮肉とユーモアがたっぷりな、核心を突いた表現が嗜めます。

一方、『西方の人』と『続西方の人』では、なにやらニーチェを基盤に、芥川にとっての「わたしのクリスト」を描いていますが、

恥ずかしながら私のキリスト教理解が乏しいことと、そしてこの二作に於ける芥川自身の精神状態が支離滅裂しているであろうことの為に、正直良く解かりませんでした。ただキリストを一人の人間として見なし、ゲーテやトルストイを後世のキリストと見なしているところに、芥川自身がキリスト、即ち全能なる者に対する嫉妬を感じていて(本作でも書かれている通り、ゲーテもキリストに嫉妬していた)、つまりはその裏返しとして、自らが神のようになりたいという心情が表れているような気がしました。

芥川がそれまで書いてきた小説をより理解する上でも、この晩年の一冊は重要な意味を持っており、読む価値は在るのではないでしょうか。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By h
ユーモアを備え機知にとんだ氏を垣間見ることが出来ます。時を経ても色褪せることのないものがここにあります。

印象に残ったもの
「人生は狂人の主催に成ったオリムピック大会に似たものである。我我は人生と闘いながら、人生と闘うことを学ばねばならぬ。こう云うゲエムの莫迦々々しさに憤慨を禁じ得ないものはさっさと埒外に歩み去るが好い。自殺も亦確かに一便法である。しかし人生の競技場に踏み止まりたいと思うものは創痍を恐れずに闘わなければならぬ」

「危険思想とは常識を実行に移そうとする思想である」

「強者とは敵を恐れぬ代わりに友人を恐れるものである。一撃に敵を打ち倒すことには何の痛痒も感じない代わりに、知らず識らず友人を傷つけることには児女に似た恐怖を感ずるものである。弱者とは友人を恐れぬ代わりに、敵を恐れるものである。この故に又至る処に架空の敵ばかり発見するものである」

「我我はしたいことの出来るものではない。只出来ることをするものである。これは我我個人ばかりではない。我我の社会も同じことである。恐らくは神も希望通りにこの世界を造ることは出来なかったであろう」

「芸術も女と同じことである。最も美しく見える為には一時代の精神的雰囲気或いは流行に包まなければならぬ」

「自由は山巓の空気に似ている。どちらも弱い者には堪えることは出来ない」

「最も賢い処世術は社会的因襲を軽蔑しながら、しかも社会的因襲と矛盾せぬ生活をすることである」

「運命は偶然よりも必然である。『運命は性格の中にある』と云う言葉は決して等閑に生まれたものではない」

「死にたければいつでも死ねるからね。ではためしにやって見給え」

「罰せられぬことほど苦しい罰はない。それも決して罰せられぬと神々でも保証すれば別問題である」
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