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東北の山奥に住むド田舎侍が、突然世界を旅するという話。
実話を元にしているというからなお面白い。
全編、主人公にとって良いことなど一つも起こらず、苦悩の果てに主人公は幕府に処罰されて死んでしまう。
この小説は、本当にいろいろなことを考えさせる。
宗教とは?信仰とは?政治とは?日本人とは?
と、こんな漠とした概念について思わず考えてしまう小説は、そんなにあるものではない。
この小説は哲学書でも宗教書でも何でもなく、遠藤周作の小説である。
登場人物はみな、鮮明にイメージすることができ、読み進むにつれて彼らの思想とその根底にある何かまでとらえることができる。
日本人で良かった・・・!と、考えたくなるような場面とかその逆の場面とかがあったり。
また何年か経ったら読み返したい。
帰国してキリシタン禁制に直面、処刑されるときになって、実は信仰をもっていたことに自らが気づく。キリストを拒もうとすればするほど意識し、いつの間にか信じている侍がいる。 「信仰は、形式をもたない」という遠藤のラディカルな思想が伝わってくる一冊。
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