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侍女の物語 (ハヤカワepi文庫)
 
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侍女の物語 (ハヤカワepi文庫) [文庫]

マーガレット アトウッド , Margaret Atwood , 斎藤 英治
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

侍女のオブフレッドは、司令官の子供を産むために支給された道具にすぎなかった。彼女は監視と処刑の恐怖に怯えながらも、禁じられた読み書きや化粧など、女性らしい習慣を捨てきれない。反体制派や再会した親友の存在に勇気づけられ、かつて生き別れた娘に会うため順従を装いながら恋人とともに逃亡の機会をうかがうが…男性優位の近未来社会で虐げられ生と自由を求めてもがく女性を描いた、カナダ総督文学賞受賞作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

アトウッド,マーガレット
小説、詩、評論、児童書などさまざまな分野で精力的に活躍するカナダの代表的作家。1939年、カナダのオタワに生まれる。トロント大学、ハーバード大学などで英文学を学んだ後、カナダ各地の大学で教鞭をとる。1966年、詩集The Circle Gameでデビューし、カナダ総督文学賞を受賞。1969年発表の初の長篇小説『食べられる女』では結婚を前にした働く女性の自我の危機を鋭く描き、文壇に衝撃を与えた。1986年には『侍女の物語』で2度目のカナダ総督文学賞を受賞。不気味で諷刺に満ちた未来社会がジャンルを超えた幅広い読者を魅了し、世界中に彼女の名を知らしめた。2000年には長篇小説The Blind Assassinでブッカー賞を受賞した

斎藤 英治
1957年生、慶応義塾大学文学部卒、明治大学大学院英文科修了、翻訳家、映画評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 573ページ
  • 出版社: 早川書房 (2001/10)
  • ISBN-10: 4151200118
  • ISBN-13: 978-4151200113
  • 発売日: 2001/10
  • 商品の寸法: 15.6 x 10.8 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 350,556位 (本のベストセラーを見る)
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20 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
発表当時話題にもなり、映画化にもなりました
近年絶版となっていただけに文庫での復活は嬉しいかぎりです。
この小説は近未来のアメリカが舞台ですが
エイズや環境汚染に起因する出生率の低下により
女性が子供を産む道具として扱われ奴隷のような生活を送っています。
タイトルにもある侍女は、妊娠可能な子宮を持つた女性を意味します

主人公の侍女である女性には自由はありません
妊娠する為の道具でしかない彼女の生活
ファシズム世界を行き抜く恐怖が全篇に漂い
読者である私も息を潜めて読んでしまいます
大事件がこの作品にあるわけではないのに、スリル一杯なのは
管理されてしまう恐怖を著者の巧みな旨さが背後にある作品だから

カナダを代表する作家は、日本ではあまり読まれないので知名度が低い
が、時間を割いて読んで後悔しない力作です

このレビューは参考になりましたか?
14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:文庫
Blind Assasinでブッカー賞を受賞したアトウッドの代表作。受賞をきっかけに文庫本がいつでるのかと楽しみにしていました。内容は言うまでもなく、斎藤英治さんの翻訳もすばらしい。今回の文庫化にあたり、ちょっと手を入れておられるそうで、それもおいしいです。

この本は女性の苦しみ、悲しみを切実に訴えていて、読んでいて胸が詰まる思いになります。今まで、何度も読み返してもまったく古くならない一冊。15年も前に書かれた本ですが、特に「平和」の意味が問い直されている今だから、いっそう新鮮に感じられます。

このレビューは参考になりましたか?
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
この作家が気になっているのでこれも読んでみた。すごい作家だと思う。

ボストン近郊の、ハーバードキャンパスを思わせる地域が舞台。設定は20世紀後半。ちょうどこれが書かれた時期(1985年)だと思われる。キリスト教原理主義者によるクーデタにより誕生した新国家ギレアデは女性を「生む機械」として扱い、出産能力のない女性は強制収用所を想起させる「コロニー」に送り、出産能力のある女性の一部は「司令官」の家に侍女として住まわせ月ごとの「儀式」により妊娠させようとする。ちなみに、聖書にそういう一節(子どものできない妻が侍女を代わりに孕ませようとする話)がある。語り手の侍女もまた、フレッドなる司令官の家に住まわされ、日々の行動を監視され、「儀式」に参加させられる。

と、設定は全くもって暗い。しかし、語り手は淡々と状況を受け止める。

<夜の闇が舞い降りて来る。いや、すでに舞い降りている。どうして夜の闇は、日の出のように昇ると言わないで舞い降りるというのだろう?日没のときに東を見れば、夜の闇が舞い降りるのではなく、昇るのが見えるというのに。闇は雲に隠れた太陽のように、地平線から空に昇っていくものなのだ。見えない火事からたち昇る煙のように。地平線のすぐ下に並んだ火災から、大かがり火から、燃える都市からたち昇る煙のように。> (p.349)

この箇所がなんだか印象に残った。夜の闇は、この侍女を覆う状況の比喩である。闇は、突然降りて来るのではない。われわれの「燃える都市」から、自分たちの中から昇って来るのだ。

1985年といえば、オーウェルの『1984』を想起させるが、イランで原理主義革命が起こって間もない時期である。原理主義にひそむ非寛容を非難するのはたやすいが、それがわれわれの「自由主義」陣営からいつ「立ち昇って」くるかは分からないのである。
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