9.11直前にテヘランに空路入り,トルコまでの陸路の旅行記。
旅先でであった学生やタクシー運転手など,一般のイラン人を8人紹介している。
イラン・イスラム革命から政教一致となったこの国では,一般人のなかでもイスラム教への距離のとりかたは様々。
遠い,近いはあるものの,アッラーを唯一神とする教えにはほぼ全てのイラン人が共通認識として持っている。
アメリカなど大国が,自分たちの国益のためにイスラム諸国を牛耳っている現在のやり方にはクエスチョンマークが付くのは分かる。ただ,その一方的な見方さえも,また危険であることが逆説的に示されている気がする。
折りしも,これを書いている2-3日前にイランでは反体制デモが起きている。国内情勢が不隠になっていることは事実であるが,本書に出てくるイランの人々はとても明るくシャイでフレンドリーであったりする。読後の印象としては,訪れてみたい気持ちに傾いている。
何年か後に,少し無理するぐらいで旅行できる国であることを願う。また,9.11テロの対応で,日本に対する悪化した印象が,今後少しでも改善されることを期待する。
文章も読みやすく,旅のエッセイとしても充分面白い。対象をイランに限定せず次作を期待したいところ。