凄まじい緊張感に、手に汗を握る。
特に、終盤の、緊迫した場面は、著者ならではだ。
当初、本書のタイトルは、何を意味するのか、釈然としなかった。
しかし、読み進むとともに分かって来るが、最後は「使命」について、考えさせられる。
警官の使命、医師の使命、、、そして我々自身の使命についても。
現在の手術は、電気とは切り離しては、考えられない。
電気メス、心電図モニター、レスピレーター、人工心肺装置などなど。
ここに着目され、さらに、いくつかの人間模様がからめられ、大変面白い内容となっている。
ところで、別の患者のレスピレーターを動かすために、通電を要請される下りがある。
病院では、停電用バックアップ電源に加えて、レスピレーターそのものも、バッテリーを搭載している。
このバッテリー駆動時間は有限ではあるが、電源が尽きた場合は、手動でエアバックを操作する事が出来る。
私は、勤務医であるが、長時間の停電のため、手動でエアバックを操作し続けた経験が1〜2度ある。
この部分に少し違和感を感じたが、物語の本質とは別の問題だ。
しかし、電気が使えない状態で、あらゆる工夫が行われ、最大限の努力がなされた。
これこそ医師の使命だと感じる。
使命とは、与えられた(限られた)条件下で、最大の努力を行う事だとも言える。
病院の外でも、それぞれの使命を、この様に解釈する事も出来る。
著者もまた、作家という使命を全うしている。