グラフィック→CM→インタラクティブ。
そんなキャリアを持った代理店制作者が、
自信の経験を軸に語る、広告論。
まず話が「ユニクロックすごい」から始まり、
“使ってもらえた広告”として、
世界で6万人が使っている事実をとても評価する。
手法としてユニクロックはスゴイと思うし、
カンヌ獲ったのもスゴい。
ただ、全世界で6万人ってどうなんだろう。
ちなみに同じ広告代理店出身の『ウェブはバカと暇人のもの』の著者は、
まったくフツーの人たちの話題にならなかったユニクロックを、
「ぜんぜんダメ」を切り捨てている。
この考えは極端だけど、ちょっと過大評価している気がした。
著者が関わった、mixiやセカンドライフで行ったファイブミニなど施策も、
ユーザーのささやかな反応を、過剰に評価しているのではないだろうか。
あと、おっ!と思った点は、
「表現の善し悪し」より「使ってもらえるか否か」が大事だと、
言い切っているところ。
この主張は、『伝えるのルール』の著者である伊藤直樹氏と真逆だ。
彼は「メッセージは、仕組みではなく、表現でしか伝わらない」と言っている。
広告界の端くれにいる身としては、
やっぱ表現って大事だっていう意見に賛同したい。
だけど、いち生活者としては「使える広告」を
圧倒的に便利だと感じているんだよなぁ。
という意味で、mixi年賀状はとっても優れた「使える広告」だ。
個人的には、ユニクロックより使えて、スゴい広告だと思う。
直接的なのに、いやらしくなく、商品の購入至る導線づくりが素晴らしい。
著者の言う通り、
マス広告は加速度的に縮小していくだろう。
いかに“広告の存在感”を出していくか、が確かに課題。
もっと言うと“いかに金を稼ぐか”だと思う。
テレビ局、新聞雑誌社などのメディアをふくめ、
代理店、CMプロダクション、デザイン事務所、web系会社…などなど
いままでのやり方で、今までと同じ給料を貰うことはきっと厳しい。
それは間違いない。
代理店を中心とした、マス広告村が崩れつつある今、
新しい秩序は何なのか?
広告業界すべての人に、この本が指針になるとは思えないが
(立場によって、共通のゴールを見いだせないケースが多いのではではないか)
そのヒントにはなるのかもしれない。