大手外食チェーンの時間帯責任者として働いたことがあるが、半端なく過酷だった。毎夜150度の油を捨て、1メートル近い大釜に具材を満たして煮込む。やけど切り傷は日常茶飯事。掃除中の真夜中に10食とか注文が出るとぶちきれそうになって作っていたことを思い出す。そして正社員の尋常じゃない働きぶりにびびらされた。開店当初は丸2日店内に詰め、ほとんど店頭に立っていた。店長はたいていスタッフに指示を飛ばしつつ、食材の盛り付けをしている、完全にプレイングマネジャーだ。そんな「店長」が裁判で管理者か問われていたわけだが、外食の現場にいた人間の誰もが、「店長は管理業務しかしていない」なんて思うまい。
ずいぶん長い前置きになったが、死屍累々の外食産業。本書を読んでその悪夢を思い出した。私がいた10年前からはあいも変わらず、使えるだけ使おうという外食本部の魂胆が暴露されないで来たことにびっくりだった。飯を盛ったりなんて仕事は「管理的業務」といえないのは当然のことでやっと認められたかと言う感じだ。また、フランチャイジーを大切にしないコンビニの経営戦術も苛烈なもんだ。店舗経営が上向きになると、すぐ近くに同系列のコンビニを出す。ばからしくなるのは当然のことだ。本書でも指摘されているが、外食産業の多くで異常な体育会系思考が社内を充満している。人件費ノルマ、売り上げノルマ、「必達」のために身をすりつぶして働く外食社員に頑張れ、と言いたい