正確なタイトルは「A Writer」。一人の作家が主人公です。一編の詩を読んでいるような味わいです。日々の生活の中で構想を練り、作品を仕上げていく様子が、短い言葉で、とても細やかに書かれています。始めは、この絵本より、同じシリーズの「AN ARTIST-画家-」の方ばかり気に入って読んでいましたが、読み返す度に惹かれていって、今ではこちらの方が大切な本になっています。
作家だけでなく、創作する人にとってその過程は、内面への遥かな旅のようなものなのかも。
想像や創造の世界に果てはありません。美しく、救いにも通じていく何かがあります。
一見地味な絵本かもしれません。でも、この絵本の良さを、繰り返し読んで多くの人に味わってもらえたらいいと素直に思います。
目に見えないけれど、泉のように、生まれては広がっていく心の世界がある。
淡い色彩でポツンポツンと描かれた、なんだか、恥ずかしがっているような小さな絵からも彼女の慎ましさが感じられて素敵です。