数多くのがん患者を看取ってきた現役の緩和医療医が幸福な最期の迎え方を指南する。
冒頭、著者は提言する。
『老いること、病気になること、死ぬことを事前に考え、しかしそこで悲観的になるのではなく、だからこそ一足一足踏みしめて生きようと思った人間にそれ相応の最期が約束される』と。
そして良き最期を迎えるために『緩和医療を受けること』を勧める。
しかし、「緩和医療=終末期医療」「モルヒネ=麻薬中毒」といった偏見や誤解、緩和医療医の不足を筆者は嘆く。緩和医療はがんと診断されたときから実施されるものであり、モルヒネをがん患者に適正に使用するぶんには依存や耐性はまずおこらないのに。
そして、より実践的な心得を伝授する。
『相性の良い主治医を持つ』、『医局が同じ病院にセカンドオピニオンを求めてはいけない』、『PET-CTを含む人間ドックに入る』などなど。
さらに、本書随所でがん患者の最期を紹介する。
テレビドラマで描かれるような最期は幻想に過ぎない、ということがよくわかった。