正直最初に書店でこの本を見かけたときは「あー。ブームに乗ってご家族まで本を?」と
ちょっとショックだったりしたのですが、読んでよかったなーと思いました。
時には怒鳴ったり野球道具を縁側から投げて怒る厳しい昭和風のお父さん。
しかられた息子に「どうしたら許してもらえるか考えなさい」と、甘やかさずに
解決するのは自分だと示唆する賢いお母さん。
キャッチボールのときにさりげなく近所の子も仲間に入れてあげられるし、
人望もギャグセンスもあるしっかりもののお兄さん。
そして、そんな家族の愛情を一身に受けて育ってきた、幼い頃は生キズが
たえないくらいやんちゃだった佑樹少年。
まるで、サザエさんやちびまる子ちゃんみたいに「普通に楽しいことがいっぱいの
家庭」の日常が綴られていく。そんな家で育った息子たちが夢のために若くして
親元を離れ試行錯誤をして、やがてひとりは甲子園優勝投手に…素直な戸惑いや
大変だったときのことも書かれていて、気づくと、斎藤家を応援する気持ちで読んでいた。
家庭内での悲しく残酷な事件がワイドショーをにぎわせている現代にも、ちゃんと
こういう「普通」(甲子園まで、まっとうで普通の感覚でやってきたご家族だと思う)
があったんだ、とちょっとほっとした感じ。
幼い頃の斎藤くんの作文や詩、手紙などのユニークな文章も収録されていて
ファン必見の1冊。