戦後間もない昭和30年代。この本の作者島田洋七さん(作中・昭広少年)は佐賀に住む祖母の‘ボロ家’に預けられ、どこまでも節約しまくるがばい(すごい)祖母との貧乏生活が始まります。
不謹慎なことに、私はこの本を読みながら思いました。
「あぁ、いいなぁ」
ばあちゃんと昭広少年の生活はまさに貧乏の中の貧乏。川に捨てられた、痛んだ野菜や果物を棒に引っかけて「収穫」しその日その日をつなぐ生活。当時そんなことを言ったらぶん殴られるでしょう。
それでも、私には作者とがばいばあちゃんとの生活が羨ましくて仕方がありません。
モノが溢れかえっている時代、人と人との繋がりが稀薄になった時代だからこそ、がばいばあちゃんの言葉は胸を打ちます。
「拾うものはあっても、捨てるものはないと」
この本が自分自身に問いかけてきます。
身の回りにあるものを大切に使っているでしょうか?
身の回りにいる人達を大切にしているでしょうか?
どこまでが「消耗品」ですか?
がばいばあちゃんは何でも大切にします。物も。人も。
捨てようなんて、思わない。
だからばあちゃんの周りはいつも明るいのです。
大切に。大切に。大切に…
どんなに大切に使っても、物はいつかは汚くなります。
けど使い込んだ分だけ、心は美しくなっていくのかもしれません。
「ああ、貧乏で良かった」とがばいばあちゃんは言います。
私は貧乏に憧れるのではありません。
一つ一つを大切に想うチカラを、この本は教えてくれるのです。