整数のイロハからはじめて、定型問題を処理できるまで力がつけられる本です。
この本の利点その1として、わかり易くかつ見易いことが挙げられます。
「面白いほどシリーズ数学」の大部分は、吹き出しやコマを使っては、
縦横無尽に解説を加えていくため煩雑なレイアウトだな・・・と感じていたのですが、
この本は、同じ吹き出しを利用していても、完結に構成されています。
にも拘らず的を射た解説がなされているのでわかりやすさを損ねていません。
2点目に、難易度がやや易しめのものから手ごろな良問を64題ほど収録している点です。短期間で繰り返し勉強ができます。
また、問題を解くに到っても発想の根拠を大事にしようという姿勢が読み取れて良心的です。
残念な点もあげますと、1点目は公式の証明が少ない点です。
「特別な整数の場合で考えて、それと同じ方法をnに拡張すればこの公式納得できるよね?」
という解説が見受けられるので、参考までにでも証明が与えられるとよかったです。
もう一点は、最小公倍数と最大公約数の積や互いに素とax+by=1の整数解に関する定理の紹介が不十分だと感じた点です。
大学への数学(研文書院)に言わせると"高校としては最高に数学的であり重要な応用"の部分が抜けています。
折角20章のテーマが互いに素なのですから、参考として解説されるとよかったと思います。
しかし、星5つと評価しても問題ないかなぁと思うくらいよく作られていると思います。