フリーターであっても「住宅ローン」を利用することで不動産投資が出来てしまうと指摘する。
収益物件に対する金融機関の融資情勢が厳しいことは多くの人がご存知であることでしょうが、そもそも論で「年収・年齢・自己資金額等の属性」が悪い低所得者やフリーターの方は不動産投資をしたくても金融機関に「足切り」をされてしまうのです。年収600万円以上でないとダメなんていわれたら、多くの年収300〜400万円の人間には収入が上がるまで待ってなさいってことになってしまう。
この「格差社会」の渦の中で!
さて、それに対して「自宅を購入するために組む住宅ローン」は年収が100万円以上でも普通に組めます。
フリーターでも定期的な収入さえあれば問題なく審査が通って自宅購入が出来る模様。
この収益不動産融資に対する「閻魔顔」と自宅購入融資に対する「恵比須顔」の二面性。
金融機関は「基本的に手のひらを返すもの」と考えたほうがいいですね。
著者自身はフリーターで、冒頭で同窓会に参加して「疎遠になっていたかつての幼馴染」が不動産投資をしていたことを知り驚愕するという物語仕立てになっています。
そのかつての親友も著者と同じ「フリーター」。
自分が明日の保証もない生活を強いられているのに、同じ立場のはずの元親友は不労所得を得ての「余裕生活」。この差に嫉妬と羨望を覚える著者は親友にその秘密を教えてもらいます。
その秘密が「不動産投資」による定期収入の確保にあった!
でも、フリーターの人間に金融機関が融資を出してくれるのだろうか?
それが冒頭の「通常の不動産投資に対する融資は厳しく、住宅ローンには甘い」という金融機関の二面性の歪を突く作戦に至る。
つまり、「住宅ローンで投資用物件(賃貸併用住宅)を購入することで審査をパスして、属性の悪い人間であっても不労所得を得て資産を築いていこう」ということだ。
このやり方は確かに有効だったかもしれない。
だが、読んでて判るがメインは「収益物件購入」ではなく、あくまでも「自宅購入」になってしまっている点を忘れてはなりません。
そもそも「賃貸併用住宅」を建てる人は「自宅のローンの支払いを店子にも協力してもらう」ために自宅に賃貸物件を付随させていると考えたほうがいいでしょう。不動産投資を「事業のメイン」と捉えている方は少ないと思われます。
本当に不動産投資を「事業」としてやられたい方は「賃貸併用住宅」は最初から検討外のはずです。
なぜなら
・オーナールームだけ構成上「広すぎて、貸し出した場合の想定賃料が高くなるリスク」がある。
・当然に物件を売却する段階になったときに、売り辛いという難点を抱えてしまう。利回りが稼げないからです。
それを考えたらやはり「事業として不動産投資」に取り組もうと考えている方は「やるべきではないです」ね。前述のような「自宅購入メインで、ローン支払いがちょっとでも楽になったらいいな」とか、将来の年金代わりに「多少の収入が入る可能性があったらいいなあ」と考える方が「あくまでもささやかなレベルでの収入を確保」するためのものとしてなら有効かもしれません。
実際、世に不動産投資本は数あれど「賃貸併用住宅」に関して書いている本はこの本と「唐沢 稜」氏による、私がレビューを書いています
「はじめての不動産投資で成功する本―賢く儲けるサラリーマン大家さんになる!」
くらいではないでしょうか?
つまりそれだけ「目線が世の投資家に合っているようで、実は合っていない」んだと思います。
前述の唐沢氏の著書も「全額自己資金で土地に新築の賃貸併用住宅を建築」して、
それを「不動産投資に成功した!」って言って本まで書いているんですよ。
読めば判りますが、「何かズレてます」。不動産投資をしようとして、その実
「不動産投資はしていない」みたいな感じになってしまっております。
この本の住宅ローンで賃貸併用住宅を購入するやり方も、結局資産を大きく増やすことには不向き。
と、書きましたが「事業としてではなく、あくまでも自己の生活にいくらか収入が毎月プラスできれば十分」という方はいるかと思います。
イメージとして年収100〜300万円くらいの低所得の方が年収2,000万円〜3,000万円になるのは無理だけど、
年収500〜600万円くらいになって「並上くらい」の余裕を持った生活が送れれば十分だということならアリ。
夢は大きければいいというけど、「大きすぎても達成できないし・・・」という方は実行検討してもいいのではないでしょうか。