この手の本としては、ちょっと珍しい編集だ。
岡野弘彦氏の本文は、歌人たる氏に似つかわしく格調高い文学として書かれている。
さすがに折口信夫の一番弟子と納得させるアプローチで、文体というよりも語り口というべき独特のリズムは、かつて講義で接した声音がよみがえるようだ。
その本文に勝るとも劣らない力を発しているのが、三好和義氏の映像である。
コマーシャル出身の写真家らしからぬ堂々たる視点で、肉眼では見えなかったものまでも見せてくれている。
ここまで肉迫していいのだろうかと思わせる切り取り方で、さしずめ超リアリズムとでも呼ぶべきか。
この二人を組み合わせようという発想はなかなか出てこないだろう。
しかし実現してみれば、不思議に融合している。
なんとも贅沢なコンビネーションだ。
編集の手柄とも思われる、この稀有なコラボレーションを讃えたい!