本書は「位相構造」「位相用語集」「位相解析入門」の三部構成となっています。書かれた時期がまったく違います。
まず本書の「位相構造」を読むには位相の知識が必要です。いきなり本書を読んで位相を理解しようとしても困難だと思います。一通り位相を学んだ者が、なぜこうした位相の定式化が為されたのかを知る為の本です。素朴なε-δ論法から「位相」的性質を抜出、より包括的な(単純な、抽象的な)概念を定義し、数学的な言換えをしながら枝葉をそぎ落とし「位相」の定義(位相の公理)にたどり着きます。そして一般的な課目としての「位相」で扱われる題材について一渡りその「こころ」を解き明かしていきます。
「位相」と言う言葉は、数学的に定式化された後の後付けであり、一般的な言葉でないため、言葉をいくらにらんでも「位相」の概念はまったく得られません。ここら辺を補う意味で「位相用語集」が本書に含まれているようです。
「位相解析入門」は位相の形而上学と著者は言っていますが、まだ読んでませんm(__)m。
砂を噛む様な授業で位相を学んだ人にはうってつけです。位相のこころ(理論を構築する上での足場のようなもの)を生き生きと授業で受けられた人は幸せですけど、読んで損はないです。