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位相のこころ (ちくま学芸文庫)
 
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位相のこころ (ちくま学芸文庫) [文庫]

森 毅
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

位相は“近い”という日常感覚を数学的に厳密にとらえ直したもの、といってよく、現代数学において最も基本的で重要な概念の1つである。歴史的には、18世紀から19世紀末にかけて解析学が進展していくなかで、極限・収束・連続性などをめぐる議論から位相空間論が生まれ、20世紀における関数解析学の展開によって、より抽象的に定式化されていった。本書は、数学の意味・こころを語る達人である著者が、1950年代、60年代、70年代に、位相をめぐって書き綴った「位相解析入門」「位相用語集」「位相構造」という3つの文章からなる。著者の名調子に乗せられて、位相のこころを体感してみよう。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

森 毅
1928年、東京生まれ。数学者。東京大学理学部数学科を卒業。京都大学教養部で教鞭を執り、また民間の数学教育運動にも参画した。京都大学名誉教授。自由な発想による論評の鋭さから、数学者仲間には“一刀斎”と呼ばれている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 330ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2006/01)
  • ISBN-10: 4480089578
  • ISBN-13: 978-4480089571
  • 発売日: 2006/01
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.8 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
36 人中、35人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By a-and-p
形式:文庫
まったく位相を学んだ事が無い人は

filterによる議論が連発して出てくる辺りで挫折してしまうかもしれません。

この本はどちらかというと、一応位相の概念は使える。

本を読んだ事がある。定理は証明して問題も解いてるけど、

結局概念的はどういうものなの?

という人のタメの本です。

また、随所に位相空間論というものができてきた歴史について数学史的記述があるので

とても勉強になりました。僕も著者の位相は函数空間から入る方が入門者にはわかりやすい

という意見に共感しました。

多様体、函数解析など話題は小さい本の中で多岐にわたっています。

一般のがちがちな本には書いてない事が沢山書いてあるという事で

とても勉強になりました。
このレビューは参考になりましたか?
28 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 本書は「位相構造」「位相用語集」「位相解析入門」の三部構成となっています。書かれた時期がまったく違います。

 まず本書の「位相構造」を読むには位相の知識が必要です。いきなり本書を読んで位相を理解しようとしても困難だと思います。一通り位相を学んだ者が、なぜこうした位相の定式化が為されたのかを知る為の本です。素朴なε-δ論法から「位相」的性質を抜出、より包括的な(単純な、抽象的な)概念を定義し、数学的な言換えをしながら枝葉をそぎ落とし「位相」の定義(位相の公理)にたどり着きます。そして一般的な課目としての「位相」で扱われる題材について一渡りその「こころ」を解き明かしていきます。

 「位相」と言う言葉は、数学的に定式化された後の後付けであり、一般的な言葉でないため、言葉をいくらにらんでも「位相」の概念はまったく得られません。ここら辺を補う意味で「位相用語集」が本書に含まれているようです。

 「位相解析入門」は位相の形而上学と著者は言っていますが、まだ読んでませんm(__)m。

 砂を噛む様な授業で位相を学んだ人にはうってつけです。位相のこころ(理論を構築する上での足場のようなもの)を生き生きと授業で受けられた人は幸せですけど、読んで損はないです。
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
森毅を偲ぶ 2011/6/4
形式:文庫
 著者の後半生、特に1980年代以降、は著作にせよ何にせよ文化人としての活動が多かった。そのころの著作を読んで愛読者になった方々も多数おられることだろう。しかし、1950年代後半から1970年代の前半位までは、数学者としての著述を多く書いていたのである。1960年代前半までは位相線型空間論の専門家として、それ以降はBourbakiの数学原論の紹介者として。本書はその時期に書かれたものを集めたもので、数多い著者の本の中では数学書として内容が深く、最も難解な一冊だと思う。

 本書は3部に分かれている。第1部が書名にもなっている「位相のこころ」で1975年に出版された。Bourbakiの「数学原論 一般位相」の内容に沿って、位相空間論の考え方を詳しく論じている。とは言っても、Bourbakiの解説だから内容は決して易しくない。本欄の他のレビューアの方々も言っておられるように、位相空間論の初学者がいきなり読むと途中で投げ出すことになる可能性が高いと思う。さらに、函数解析学の視点から位相空間論を眺める方針も一貫しており、その方面の知識が無いと、例えば、何故コンパクト性の重要性をこれ程力説するのかが理解出来ないだろう。何しろ、第1部の元本となった現代数学社版には「位相空間論と関数解析のために」という副題がついていたのだから。この部分は、総論として著者の手になる長大な「Bourbaki 数学原論 一般位相の書評」数学、第13巻3号(Journal@rchiveからフリーで入手可)を参照されることをお勧めする。

 本書のハイライトとも言えるのが第3部に収められた「位相解析入門」で、同人誌の「数学のあゆみ」に1957年に連載された論説を復刻したものだ。内容は位相空間論及び位相線型空間論入門となっていて、同人誌の性格上同じ世代の(若い)数学者に向けて自分の専攻している分野を解説するという調子になっている(著者にしてからが、当時30才前だ)。位相線型空間論は、第2次大戦後L.Schwartzが超関数(Distribution)の理論を創る必要性から、Paris学派によって集中的に研究され、1950年のA.Grothendieckの登場後急速に発展した。この論説には、当時のこの分野に寄せる新進数学者としての著者の熱気が横溢していて、中々楽しく読ませるのである。専門的な論説であるから、気楽に読み流せるという内容ではないが、これを読めば上で述べた「函数解析学の視点」がどのようなものであるのかを窺い知ることが出来るだろう。併せて、これも著者自身の手になる「位相線型空間-Lebesgue積分論とBanach空間論の発展として-」数学、第12巻(1961)4号及び、J.A.Dieudonneの「Recent developments in the theory of locally convex vector spaces」Bull.AMS Vol.59 No.6(1953、これもAMSのサイトからフリーで入手可能)を参照されると、この第3部を読む楽しさは倍増するに違いない。

 著者を偲ぶと言いながら、訳の分からない数学の説明をアップして、とお怒りになる方がおられたらご容赦頂きたい。年寄りの数学愛好家の一人として、著者の「数学者」としての側面にも興味を覚える方が増えて欲しい、と評者は願っているのである。
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