シリーズ4作目。
突如現れたニセ伯爵の噂の背後に、宿敵の影を感じたエドガーは、死んだ娘の花婿探しという
怪しげな降霊会に偽名を使って潜り込む。
一方、彼の新恋人の噂にやきもきするリディアが偶然出会ったのは、そんな死んだ娘の母親で―。
ロンドンといえば幽霊。そんな定番で始まる今回のお話ですが、内容は盛りだくさんで面白いです。
前回、形だけの婚約は交わしたものの、依然として友達以上―恋人未満といったこの頃の二人。
じゃれ合いながら付かず離れずの関係は相変わらずですが、今回また少し距離を近づけています。
特に個人的には、同じ場所をうろうろしている感のあるリディアより、エドガーの心境の変化の方が、
少しずつでも確実に進展していて、分かりやすくて好きです。
根っからタラシの彼が、積極的な幽霊娘を見て、拒絶されてもやっぱりリディアがいいなぁと改めて
感じる様子や、彼女を利用したことで得られた情報の価値より、結果として彼女の精神に少なからず
苦痛を与えてしまったことで、自分でも意外な程、落ち込んでいる様子。
守るということは、単純に命を保護するだけではなく、彼女らしさ丸ごとを守るということなんだと
気づく心境の変化。
過去の窮地を計算と策略で切り抜けてきた彼は、周囲の人間も自分自身の感情でさえもコントロール
してきたけれど、思い通りにならないリディアの存在や、彼女に対する自分自身の気持ちに戸惑っている
様子がとても良いと思います。
ラストの浜辺での二人のやりとりも本当に可愛らしいです。